平方録

天空の花園

秋バラの季節と言うのが、だいぶ知られるようになってきたのか、横浜イングリッシュガーデンの10月の入場者は好調で大勢の人に楽しんでもらえたようで、11月に入ってもその好調さが続いている。
お陰で今年度をまだ後5カ月も残しているのに、10月末で去年1年間の10万6389人の入場者数を突破した。

2012年に庭の育苗、整備を担う責任者を代えて、バラの育種家として名前が聞こえ始めていた河合伸志さんをスーパーバイザーに迎えたのが功を奏したようだ。
以来、河合スーパーバイザーの手で進められた庭の整備再編は土づくりから始まって、定期的薬剤散布をはじめとするメンテナンスも行き届き、見違えるような庭に成長を遂げたのである。
一方で、横浜に拠点を置くマスコミ各社の編集責任者を春と秋の2回、定期的に招いて、ガーデンでメザシとワインをふるまってのガーデンパーティーがあの業界に共通する飲兵衛どもにはことのほか好評で、彼らは他では決して味わえない宴の返礼として、紙面や電波の片隅を使って紹介してくれているお陰で客足は伸び、ガーデンの認知が進んだとも言えるのである。
ハード面とソフト面での2正面作戦がズバリ、効果を生み出してくれている。
2017年に横浜で開かれる全国都市緑化フェアのサテライト会場になることも内定し、全国からのお客さんにも期待が出来ようというものである。

昨日の文化の日も、晩秋の柔らかい日差しを浴び、風もなく、20度を超える暖かな陽気の中、1000人を超える人々が散策し、あるいはベンチに座っておしゃべりを楽しんでくれていた。
今の時期は最大ピークを過ぎたところ辺りで、これから花は減っていくが中旬くらいまでは楽しめそうである。

秋バラと言うのは初夏に咲くバラと違って、花の数は少な目だが、蕾の成長がゆっくりで、その分だけ一つひとつの花が大きく、かつ香りも立つところが魅力である。
秋の斜めの日差しに一つひとつの花が浮き立つような印象的な咲き方で、初夏の頃の株全体を覆い尽くして咲くバラとはまた一味違って見ごたえがある。

今年の特徴は株全体が大きく成長したため、花の咲いている位置が目線の位置よりも高くなっていることである。
したがって、写真を撮ろうとすると青空が背景になり、それはそれで如何にも“天空の花園”に咲くバラのようで、これはこれで味のある写真になること請け合いである。
余り高くなりすぎたため、12月末から来年1月にかけて、大規模なせん定作業を実施する手はずになっているから、来年の初夏のバラは目線の位置で楽しめるはずである。
河合スーパーバイザーは腰の位置より少し下くらいのところまで切り戻す、と言っていた。

そうなるとまた今度の初夏は、はじけるように、株全体いっぱいの花がつくことだろう。
イギリスに輸出されたソメイヨシノの血をひく「アーコレード」という日本ではまだ数少ないサクラの若木も育ってきた。来春はバラに先駆けてご先祖のソメイヨシノと並んで競い合って咲いてくれるはずである。










“天空の花園”に咲く秋のバラたち
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