平方録

開花合図の号砲を待っている

大型連休を直前に控えて開かれた、横浜イングリッシュガーデンの運営会議に出席。

特段、差し迫った議題はなかったが、急に暖かくなったせいもあり、園内の至る所で雑草の繁茂が著しいことが指摘された。
バラの根元などに小花が咲き競っているのなら、バラとの相乗効果も期待できようものを、遠慮会釈ない雑草の傍若無人は見た目に見苦しい。大勢のお客さんを迎える時期に、とても放っておけない。
今日火曜日のサポーターデーに20人余りのサポーターさんが参加してくれるそうで、2、3時間、人海戦術で一挙に雑草取りをお願いする段取りになっているという。

草取りは少人数で黙々とやるより、大勢で一気に取り掛かる方が能率が増すように思う。
変な例えだが、少人数の場合では1プラス1はせいぜい2にしかならない。しかし、これが大勢になると気分の乗りも違うのか、5プラス5が10ではなくて、15にも20にもなるようである。
大勢でやる場合、はかどるどころか10が7とか6にしかならないことも、世の中にはあるようだ。
しかし、わがガーデンの場合は、なにか同じ黙々とした作業であっても、はかどるのである。

カギは嫌々ながらにやらされる作業ではなく、サポーターという名のバラの愛好家が「私もこのお庭のために役立ちたい」と考えて、自主的に参加してくれていることと無縁ではないように思える。
そういう願ってもない積極的な人たちだから、一緒になって地面にへばりつき、草を抜き取る作業を続けると、連帯感のようなものが芽生えてくるのではないか。そう思えるほどに、はかどるのである。
芽生えた連帯感が背中を押すから、手抜きすることなく、せっせと集中するという好循環が生まれる。
どこかにそういう研究論文でもないのだろうか。あればお目にかかりたいものである。

サポーター制度は河合伸之スーパーバイザーの提案で導入した。
最盛期の花がら摘みや、雑草取り、1年草の植え込み作業など、庭を維持して行く上で欠かせない軽作業を手伝ってもらおうという狙いである。
自分でバラを育てている人、マンションなどに住んでいてバラを育てたいのだけれど無理、でもいじりたい、というような人たちが参加してくれているようである。
お金は払えないので、1年間を通して月に1度、河合スーパーバイザーがバラ栽培を巡るさまざまなコツを伝授する講座を開いて御礼に替えている。
これが評判で、年間50人ずつを募集しているが、その倍以上の応募があって、待ちの状況が続いているのである。

さて、肝心のバラの育ち具合だが、暖かくなったと思ったら急に冷え込んだり、今年の春は行きつ戻りつが顕著だったように思える。
そんなわけだから、何本かは蕾が途中で枯れてしまうなどの障害も起きている。
しかし、ここ3、4日の好天と気温の上昇で、改めて生育に馬力がかかったのか、蕾はだいぶ膨らんできていることが分かる。
どうやら花数も、素晴らしかった昨年とそん色ないようである。
今にもはじけそうに、パンパンに膨らんで、スタートの合図の号砲を待っているかのような蕾を見ると、あぁ、すぐに百花繚乱の素晴らしい光景が広がるのだな、とワクワクしてくる。
河合伸之スーパーバイザーの見立てでは、このままの暖かさが続くと、連休明け以降の5月中旬を想定していた開花の最盛期が、前倒しされる可能性も出てきたという。

サクラという花も人の心を奪い、そわそわさせるものだが、サクラのようにパッと散ったりしないバラであっても、満開の頃になると大いに心を奪われる存在として際立つ。
もう目前である。大いに心を奪れたい。



アーチが交わるところのガゼボを覆うアルベルティーヌには例年になく蕾が沢山ついている


ブラッシングアイスバーグの蕾も膨らみつつある


気の早いピューレッザ
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