自民党のことだ。総裁再選を狙うアベなんちゃらは露骨に無投票の道を驀進し、立候補を模索した対抗馬の推薦人に圧力をかけて推薦人からはぎ取り、立候補断念に追い込んでしまった。
そこまでやるか、という思いである。
選挙で自民党の候補に投票したことなど一度たりともないが、長いこと政権の座にあって、それなりに多様な意見が交錯しあい、あるいは党内での牽制が効いているようにも見えた。
見方を変えれば足の引っ張り合いをしていただけかもしれないが、常に「異論」は存在したし、かつまた存在し得えたのである。
それが、時に暴走を食い止める役割も果たしてきた。
しかるに、現状の如何に情けないことか。
支持してもいない政党の現状を嘆いても始まらないのだが、何せ政権与党である。
当たり障りのないことをしているのなら目をつぶってもいようが、「戦争法案」などという、国民が権力に対して契約を結んだ文書である憲法を無視して、一方的に契約を破棄しようという暴挙を目の当たりにしては、黙って見過ごすわけにはいかない。
そういう現状認識でいる国民の１人から見れば、国会議員の過半数を大きく超える所属議員たちが、ほぼ全員、同じ方向を向いていることが信じられない。
異論というか、正論を吐く議員はいないのかね。
衆院で開いた憲法審査会に呼んで意見を聴いた憲法学者３人のうち３人までもが口をそろえて「憲法違反だ」と明言しても、「ジャッジするのは最高裁だ」などとうそぶいて、自ら推薦して公聴会に出てもらった憲法学者の意見さえ無視しようという態度は、傍若無人にして傲慢に過ぎる。
憲法を無視するということは天に唾するような行為だから、いずれ天罰は下るだろうが、それまで待つという悠長なまねは出来ない。おかしいと思ったらそれを口にできるのが現在の憲法で保障された権利である。
骨抜きにされかけているとはいえ、まだその条文は生きている。
そう思っている人間が多いから、国会前のデモなどに学生や子どもを連れた若いお母さんの姿も目に付くという、最近ではついぞ見かけなかった光景が出現しているのである。
それにしても、自民党内に現状をおかしいと認識できる輩はいないのかね。
認識はしていても、声を上げられないんだろうか。
総裁選の対抗馬にしり込みする議員が続出したことなど考え併せると、残念ながら、さもあらんというしかない。
卑しくも国会議員だろう。今誰もそんなふうに思っている有権者はいないと思うが、かつて議員サンを指して「選良」と呼んでいたんである。
今じゃ「選悪」か、それとも「選劣」か？
確かに目を覆いたくなるような質の悪い連中が当選していることも確かだが、そういう輩ばかりでもあるまいに。
「おかしいことをおかしい」と口にできる議員はいないのかい。
良心のかけらでもいい。かけらを持ち合わせているなら、せめて立ち止まるくらいのことでもしてくれたら…。出来ればそういう議員に束になって現れてもらいたいものだが、無い物ねだりなのだろうか。
２０１５年当時に国会議員をしていた自民党と公明党の奴らのことは絶対に忘れてはいけない。少なくとも、今後はまず履歴を確かめることにするから覚えておけよ！
主権者である国民に対する「裏切者」として記憶し続けて行くからな！
我が家の庭の花もぐっと寂しくなってしまったが、鮮烈な赤が持ち味のサルビアも長雨に色がくすんでいる
