平方録

ん、カジノ ?

少年時代からずっと暮らし、働いていた会社もあった横浜は思い出の街であり、好きな街である。
その横浜に「統合型リゾート構想(IR)」というのが浮上しているようである。

山下公園を挟んで大桟橋と反対側の山下埠頭にカジノやホテル、野球場などを整備しようというもので、どうやら女性市長が前のめりになっている、と聞く。
根拠となる「統合型リゾート推進法案」(カジノ法案)は昨秋の臨時国会で廃案になり、現在開会中の国会で再び提案されるようだが、なぜ横浜なんだ。

横浜が選挙区の官房長官は「首都圏、大阪、沖縄」と3か所を候補地とする考えを口にしていたようだが、言い出しっぺの傲慢都知事は既に去り、新しく就任した現知事は慎重な構えである。
もう一つの有力候補地である沖縄も、振興策とセットでニンジンをぶら下げられた格好に違和感を感じたのだろう、昨年末の選挙で当選した辺野古埋め立て反対の知事はこのカジノにも反対の姿勢を示している。

「IRというとカジノと反応する人もいるが、私が描いているのは子供から大人までが楽しめる滞在型のリゾート施設」と女性市長は口にしているそうだ。
利権にさとい連中から言わされているんだろうが、木に竹を接ぐ感は否めない。例えをどう引いてこようが所詮、本質はカジノだろうに。
羽田空港に乗り入れている電鉄会社は既に、東京のお台場や山下埠頭を候補地にした統合型観光リゾートの建設計画を推進するための部署を設置している。動きは既に本格化しているのである。

そもそもカジノがなぜ必要なんだ。そこから疑問が湧く。
いくら木に竹を接いだって、そもそものカジノの必要性、横浜に誘致する意義や利点を丁寧に説明してくれなければ、理解はできない。
当然デメリットだってあるだろう。包み隠さず説明してもらいたいものである。

ところで山下埠頭が予定地になれば、ここの権利関係をきれいのほぐすのは簡単ではない。
47ヘクタールの土地には港湾・港運関係の会社をはじめ、いくつもの企業がここを足場に仕事をしているからである。
その港を仕切る人物が港運関係団体のリーダーを長年務めているF老人である。自らの会社の社長も兼ねるこの人物は歴代横浜市長の後援会長を務めるなど、横浜の政官界に太いパイプを築いてきた。
仕事柄、多少の顔見知りだったが、利にさとい人であり、“ミナトのドン”とも呼ばれ、官房長官とは駆け出しの横浜市議の時代からの、いや、それ以前の国会議員秘書時代からの長い付き合いである。
図式が目に浮かぶようである。

ま、そういう魑魅魍魎は世の常であるから、気にしなければそれで済む。しかし、個人的には計画そのものへの違和感は根強いものがある。
なぜ横浜なんだ。


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