「少し残ってるガスカートリッジが沢山有る,,,,,」
「整理するから~~」
「詰め替える器具、持ってるじゃん」
先々週、韓国KOVER製チタンバーナーが冬に上手く燃焼しない話から、
ガスカートリッジの成分と詰め替えについてのお話です。
ガスの詰め替えは違法ですが、器具はいろいろな種類が数千円程度でネット販売されています。
(つめかえ君、G-WORKS、など・・・)
そこでガスの詰め替えについて色々考えて見ました。
一般的な家庭用ガスカートリッジで接続部にネジが無く、先が凸をCB缶、
プリムスやEPIなどのガスカートリッジで接続部にネジが有り中央が凹をOD缶と呼びます。
完全に使い切ってない中途半端なOD缶が貯まってきます。
残量が少なくなったOD缶も山に持って行けば良いのですが・・
つい、新品を持って行ってしまい中途半端な残量のOD缶が残ります。
以前はネットで購入した器具で、価格の安いCB缶のガスをOD缶へ詰め替え充填して使ってました。
(この器具は800円で軽量で優れもの、今ももしもの時のためにザックに入ってます。)
しかし移し変えたガスを使うと正規のOD缶に比て炎の勢いが弱い・・お湯がなかなか沸かない・・すぐ実感します。
また、寒くなると気化性能が著しく低下し、使えません。
夏でも、連続で使っていると徐々に火力が弱くなり不自由するので、その後ガスの詰め替え充填はしなくなりました。
今回のお題『詰め替えって得なの?損なの?価値有るの?』
そこでまず、液化ガスについてお勉強です。
OD缶もCB缶もガス成分は液化ガスであるブタン、イソブタン、プロパンが色々な混合比で混ぜて有ります。
液化ガスの性質は
1.液体なので基本高い所から低い所に流れます。
2.圧力の高い方から低い方に流れます。
3.圧力は個々の蒸気圧に左右され、残量には関係なく温度に比例します。
4.沸点以下の温度では気化しません。
(使用中ボンベ内は自身の気化熱で外気より10℃近く下がっています)
OD缶、CB缶のガス成分比率は
成分比率はメーカーや商品によって様々です。(私的に色々調べた結果です)
一般的に売られているOD缶とCB缶の公表されている成分比を、
低温性能に優れ火炎も強いであろうと思われる順に並べて見ました。
(JetBoilやSnowPeakが早くお湯が沸くのはガス成分によるところも有るようです)
(EPIやPrimusSWEにプロパン比率が高いであろう、低温に強い特別な商品がありますが一般的で無いのではずします)
再充填可能、容器耐圧70kg、-40℃燃焼可能って事はプロパン100%としか考えられない商品も有ります。
輸入できるのかどうか知りませんが、もちろん接続できます。
OD缶とCB缶の性質は
1.ブタン、イソブタン、プロパンの発熱量はほとんど同じで、混合比率が異なってもトータルの発熱量はほとんど変わりません。
どの器具でも、どのガスでも燃えるのは燃えると言うことです。
2.問題は沸点と蒸気圧の違いです。沸点が低いほど低温での気化性能に優れ、
また蒸気圧が高いほどガス圧が高く火炎が強くなり、風に対しても強いはずです。
3.プロパン混合比が多いほど気化性能に優れ、火炎も強い事になりますが、反面カートリッジ内部ガス圧が上がります。
容器の耐圧性が必要になり、高温の状態に置くとリスクが増します。
実際夏の炎天下、上表の中で最も蒸気圧が高いであろうと思われるJetBoilOD缶を車の中に置いていて底が膨らんだ事が有ります。
ヤバかったです。
4.各メーカーは経済産業省に認可を求めるとき、自社製の器具と対で詳細な設定をして基準をクリアーしています。
性能を100%発揮するには同メーカーを使う必要があるのです。
5.CB缶でもSnowPeakとSOTOにプロパンを混入した製品がありますが、10%程度なのでEPIのOD缶レギュラーと同じ程度です。
耐圧の問題でCB缶の構造上プロパン混入10%が限界なのでしょう。
と言うことで、
*ノーブランドのCB缶ガスの値段が安いからと言って詰め替えると沸点が高く蒸気圧の低いガスをOD缶に入れる事となり・・
燃焼はしますが、当然気化性能は低くなり火炎も弱くなり、結果的に真夏の低山以外では良いことは何も有りません。
*少量余っている場合を除き、プロパン比の高いガスをプロパン比の低いOD缶やCB缶に詰め替える必要も無いでしょうし、
その逆も無いでしょう。
*異種接続の利便性はSnowPeakにCB缶からOD缶へのアダプターが販売されています。
しかし燃焼機器は2Way専用なので同じ事です。
お題の結論は
・・・積極的にガスの詰め替えをする理由や必要性は無いのです。・・・
・・・異種接続器具どうしを接続出来る利便性も同じ事です。・・・
必要性があるとすれば、残量の少なくなったガスを同じOD缶どうしで移し変える程度です。
と言うことで・・・ちょっと!やって見たがりで、
ガス器具の組み合わせでOD缶どうしを簡単にできないかと・・
そこで点火装置が壊れたガストーチと、バルブが壊れたガストーチを一つにすれば・・・良いはず。
接続は両方ともOD缶の接続です。
○の部分のネジピッチが同じ事に気がつきました。
つまりここに接続できる
メスネジの深さもほぼ一緒
念のため、メスネジの深さとオスネジ長さをノギスで計って見ると・・ちょうど良い
きっちりOリングが収まりガス漏れも無い
接続出来ました。
そして・・・OD缶を両方に接続
やりたかった事完成・・・・しかもバルブ付き
残量の少ないガスカートリッジを温かくし逆さまになるようにすれば、下の冷たいガスカートリッジに貯まる仕組みです。
実際使うときは上のガスカートリッジが真下に向くようにしないとガスが落ちて行きません。
やって見るとOKですが、どうしても内部構造上の問題で少し残ります。
今回の装置は接続に角度が有るので、貯まる側の残量も半分以下の場合にしか移せませんが、残りを移す程度には問題ありません。
しかしこの行為は違法です!
OD缶の詰め替はマイナス面ばかりで価値が無く、山で使い切りましょう・・・と言うことで
・・・おしまい。
しかしふと!!!思いつきました。
***私のプリムスイーターパックライトにJetBoilのジェットパワーやSnowPeakのプロイソを付けたらもっと早くお湯が沸くのでは
***SnowPeakのプロイソ缶220gで定価520円:::PRIMUSのハイパワーT缶225gで定価600円::::どっちが得?問題は燃費だ
・・・・実験をやって見ようかな~~~~。
「違っても数十円の差やろう・・」「・・・・・・」