エデュパな日々

受験指導20年のカリスマ講師が
理数系受験個別教室を開設
新たな挑戦が始まる!

算数の勉強時間が長いワケ

2011-08-19 01:23:54 | 教育
堅い話は抜きにしたいこのブログですが,ちょっと話題に出たもので・・・



最難関中受験生の算国理3教科の勉強時間の理想的な配分は大体6:2:2(主に関西で合計を10とした場合。約比は?とは言わない(^^;算国理社なら5:2:2:1)程度と思われます。もちろん直前期になると,理社で暗記分野の出題が多い学校はその比率を上げて追い込みをかけることになります。

算数に多くの時間をかけるべき理由は

1.塾のテストでは偏差値を重視しますが,実際の受験の合否は素点でもって見るものです。最難関中入試で各教科の素点の受験者平均と合格者平均の乖離をみると,算数が突出していて,国理の合計も算数に満たないのが一般です。すなわち,算数でアドバンテージを得た者が多数合格しているということになるのです。このことを裏付けるように各校の校長,教頭,内部関係者のお話を聞きますと「今年も算数で決まりましたね」「算数を勉強させてくださいね」との意見が圧倒的に多いです。となれば,合格しやすい戦略をまずは目指すのが得策な訳で(もちろん個人個人の教科ごとの成績に合わせて微調整はすべきですが)勢い算数を勉強すべし!となるのです。
ちなみに,点差がつきやすい理由の1つに,算数は問題数が少なく1問当たりの配点が高いということもあります。

2.算数は基礎的な解法を理解し暗記すれば数値をそのまま当てはめることによって得点できる問題が相当量出題されるので(理科もそういう側面はありますが,配分が小さ目なように思います),相対的に努力が点数に反映されやすい教科といえます(特に中レベルの問題では)。

3.算数は難問を解くに際して長考が有効かつ高い学習効果をもたらすケースが多いです(中程度の易問を暗記しているだけでは上限が知れてしまいます)。条件をどれだけ整理しても補助線をいくら引いても全く手が出ないというケースは稀で,1問につき30分,1時間とかける時期を作ることによって後々大きな果実が得られるものです(理科の物化の一部超難問も同様)。


このように,算数の勉強は中学受験においては時間を最もかけるべき≒最も大切というのが業界の定説ですが,他教科がまるで駄目というのではもちろん合格は遠のいてしまいます。また,算数のテストで少しのミスも許されないというのではプレッシャーがきつ過ぎるというものです。そこで,算数重視でありつつも教科間バランスを崩しすぎないのが最も成功に近い時間配分ということになります。



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ちなみに,適切な総勉強時間の教科配分と,塾で実施される授業時間の教科配分は基本的にリンクしているものです。ある教科は塾で全て教えきろうとし,ある教科は家庭で教えてもらうことを期待している等というような説明は現代的な塾ではまずあり得ない都市伝説です。