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電機業界の未来(3)

2012-04-13 21:38:37 | Weblog
ソニー、過去最悪赤字 復権へヒット商品必要(産経新聞) - goo ニュース

とりあえず人減らしが一巡するのは約三年。
日本企業の意思決定スピードが律速となるため、一年で大事業を終えられるところは多分無いでしょう。
カルロス・ゴーン氏でもない限り。

だけど、今の時代に従業員数はなかなか減らないでしょうね。
新卒者ですら狭き門となっているのに、経験者採用の枠が如何ほどあるのか?
それに同時多発的に電機業界が不況に突入したのでは、一体どこに働き口を求めれば?
・・・やっぱり海外メーカー?
噂では三年でポイ捨てされるらしいけど・・・。

結局のところ、従業員の手当てや雇用形態の変更による人件費の圧縮で賄うことになるのでしょう。
従業員のモチベーションはどん底に落ち込みますけど、
東電のことをバカにできない位もらっている人達が三割減ったところでどうにかなるんんじゃ無いかな?
子息をお金持ち私立校に通わせるのを止めればね。

さて、引用の記事にはヒット商品を生み出すってあるけど、私はそれが回答だとは思えない。
むしろ、ソニーを苦境に追い込んだ元凶こそが過去の成功体験にあり、
そこから脱却出来なった事が敗因だと思っています。

要は、バブル(ヒット商品)で儲けた人はバブル以外で同じ収益を挙げるのは難しく、別のバブル(ヒット商品)に頼るしかなくなる、ってことかな?

今から12年前、携帯音楽プレーヤー市場でソニーの牙城を崩すなんて考えられないことでした。
ソニー自身も自らの牙城を堅固に守っている限り安泰は続くし、
安泰を続かせるためには自分のテリトリーを侵すモノの存在を許さなかったでしょう。
当然、音楽の配信は光る円盤でなければ、自らのビジネスモデルを否定することになりかねない。
何より、54kbpsでネットで配信なんて非現実的だ!
・・・と言ったか定かではありませんが、
ネットで合法的に音楽をダウンロード出来るシステムを備えたiPodがあっという間にソニーの牙城を根底から崩してしまいました。
当時の認識では、「音楽のネット配信」=「違法ダウンロード」でしたから。
別段、半導体メモリや小型ハードディスクに圧縮ファイルの格納して音楽を再生するアイディア自体はさほど斬新ではありませんでした。
しかし、スタイリッシュなデザインに使い易いフロントフェース、そしてブランドイメージが会い重なったのがiPodの勝因なのだと私は思っています。

それはさておき、
ソニーの次の戦略は今勝っている部門を強化し、弱い処はバッサリと切り落とす事になるのでしょう。
それでV字回復した処で、会社としてのステータスや従業員の傷付いたモチベーションがV字回復する訳でもなく、衰退への一本道を歩んで行く事になってしまいかねません。

ソニーに限らず、日本の製造業には数多くの優れた技術に種が眠っています。
私は今こそ社内・社外の垣根を超えて、集結すべき処は集結して、世界をリードするニッポンの電機業界の再興を目指すべきだと願っています。


長くなったので具体的なビジョンについてのお話は別の機会に。