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原子力エネルギー亡き後の日本

2011-04-04 07:19:22 | Weblog

人類が頼るべき原子力の代替エネルギーは何か? /三宅 信一郎(INSIGHT NOW!) - goo ニュース

原子力発電は不要だ!という意見が日に日に高まっております。
無理もありません。
一旦制御不能になるとここまで手に負えないものだとは
誰も思いもよらなかったわけですから。(たぶん当事者の東電ですら)
政府や電力会社の「原子力は安全でクリーンなエネルギー」という広告は
今となっては嘘であったということになってしまったわけです。
理由はどうであれ、原発事故は結果責任です。
民衆に芽生えた不審の目は、簡単には消えないでしょう。
新しい原子力発電所の建造は、難しくなってしまいました。

では、日本の全電力エネルギーの30%を賄っていた原子力エネルギーに代わるエネルギーはあるのでしょうか?

・・・・残念ながら直ぐには用意できません。
従って、原子力エネルギーの開発は今後も継続しなければならないのも避けがたいと思います。

では太陽エネルギーや風力エネルギーがエネルギーになるか?

・・・・まず無理でしょう。
今回の計画停電で思い知らされましたが、安定した電力が社会のインフラにどれだけ必要か。
天気に左右される太陽発電や風力発電が主流となるグリッドはあまりに非現実的です。
ヨシズミが明日のエネルギー予報をしている姿なんて見たくも無い。

比較的短期間で用意できる安定したエネルギーは、私はやはり石炭だと思います。
もちろんCO2問題は避けて通れません。
したがって、CO2を排出しない石炭火力エネルギーの開発を急がなければならないのです。

CO2を高圧力で液体(あるいは超臨界状態)にして地中に埋めるというアイディアは、
実現段階にあると聞いております。
油田の採掘で、単に吸い上げるだけではなく海水や高圧ガスを注入して圧力を加えることで、
採掘率を向上させる技術があります。
今のところこれによってガスが噴出したなどの事故が起こったという報告は無いようです。
問題は日本でガスを閉じ込める地層があるかどうかだと思います。
(一部では高圧の深海に閉じ込めるアイディアもあるのだとか。)

ちなにみCO2ガスを閉じ込めるのには、まず排ガスからCO2ガスを分離しなければなりません。
石炭を空気中で燃やすと、排ガスはCO2と窒素ガスが2:8の割合で排出されます。(その他、水など)
これからCO2を分離するのは大変です。
分離をするにはエネルギーが必要になりますから、
その分のエネルギーロスは発電効率の低下ということになります。
発電効率が低下するということは、電気代の高騰という形で跳ね返ってくるわけです。
あまり嬉しくは無いですね。

すでに提案されている技術ですが、
私は純酸素を発電ボイラーへ送り込む方法を支持したい。
純酸素を送り込んで石炭を燃焼させれば、排出されるのは殆どがCO2、そして水です。
これなら分離の手間が不要となります。
当然、酸素を生成するエネルギーが必要になりますが(※)、
例えば水から酸素を生成すると水素が発生します。
水素は燃料電池のエネルギー源となり、したがって、車の燃料になりえるわけです。
燃料電池とリチウム電池のハイブリッドシステムは、
駆動系(電気モーター)を共用できるため、とても相性がよく
しかも電気自動車の最大の弱点の巡航距離の短さを補うことが出来ます。

いずれにせよCO2の回収によって発電効率は下がりますが、
火力発電システムそのものを高効率化するプランは東京電力の主要項目の一つとなっており、
開発が進められております。
まず、発電効率を上げる一番の方法は、
(熱エネルギーサイクルの原理から考えれば判ることですが)ボイラーの温度を上げることです。
そのためにボイラーや配管材料、あるいは溶接技術の開発が20年計画で進められていますが、
それを前倒しすることです。

また別のアプローチとして、石炭の液化技術によりガスタービン発電を可能にすることが挙げられます。
問題点は安定しているとはいえない石炭の品質の産地ごとのばらつきのため、
安定した燃料が得られないこと。

とりあえず火力発電の見直しだけでも、
安定した電力が得られ、CO2の削減効果はかなり高いものになるはずです。
その間に原子力エネルギーの安全な運用、今回の事故をもらたらした要因の解析、
あるいは存続or廃棄について、キチンと検証されることを望みます。


(※工業的に酸素を得る方法としては空気から単離するのが主流です。)


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