山本さんのところで茶杓つくりを一年前に予約していた。
その日がやってきた。
茶人でもないのに、作りたかったのだ。
一本目、先を薄く削りすぎて、割る。
二本目、素性はイマイチのものを削っていく。
ほかのメンバーはお茶をやっている方々で、細身のすばらしい茶杓が多かったが、私は野良のような茶杓にした。
竹には筋があり、そこに小さな穴が開いていた。
筋を川や滝と見立て、穴を洞窟とみる。
陶淵明の「桃花源記」のように、川に流れ来る桃の花びらを辿ってさらに洞窟を抜けていくと、またそこにのどかな暮らしをしている別世界があったと。
銘は「桃源道中」となる。
茶杓作りを終え、茶杓先生ら男4人で一献。そこもつかの間、桃源郷であった。
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