類人エン(さすらいの詩~砂一詩集)

旅の終わりにこそ続けて流離う。
遠回りの道。
迷うな!それが真の勇気。
無限の嘆きは感謝。
神への祈りだ。

夜の怪物 Monster at night

2008-05-14 22:25:59 | Weblog
今しがた立ち去ったルームの電燈の明かりが文明を照らすように台所から戻った私を招き入れる。そこは唯一の温もりでそして、怪物が同居する世界だ。一体、怪物の棲家のドアをノックしたのは何処のどいつだ。

一たび足を踏み入れたなら戻るに戻れない。耳を澄まし、眼を研いでもこのお化け屋敷は何千年も何万年もの昔にタイムスリップしたホールの彼方に在る。大海の渦潮に吸われ、砂漠の無限の地平の蟻地獄に足を引き摺り落とされ、喘ごうとも叫ぼうとも、声も響かず何処にも届かない。完全に「現代」とはシャットアウト。全く別の星雲の宇宙がそこに広がる。大きな真っ黒な人の顔よりも三倍以上も大きい蜘蛛が壁を這い鋭角に折ったその細長い足を垂らす。

君は一体、何者なのだ!

硬直した体が机に向かって身動き一つしない。息が一瞬止まり、胸の鼓動もシュルシュルとガス欠したポンコツ車のエンジンのように力が空を舞い失速する。


生きようよ。   Let's live.

2008-05-14 01:53:58 | Weblog
生きて見ようよ。

まだ先に何か落ちているかも知れない。

拾おうよ。

・・・そうだ何かを見つけたら。

まだ、鼓動がリズムを打っているよ。

まだ歩ける。

しかし、よく前が見えるかな。

見えなくなったらお終いだよ。

だから何かが見える内は勇気を出して進んで見ようではないか。

何時かきっと何かに出会えると思うからだ。

その何かは?

・・・

希望であり、絶望だ!

・・・

だがそれを我々は恐れたのではない。

それらを期待したのだ。

我々はそれらを願ったのだ。

だからもう少し生きて見るのだ。

まだ足が前に進む限りは。

・・・

そうだもう少し生きて見よう。