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シニアのための健康術 (国立長寿医療研究センター所長 鈴木隆雄)

2017年03月11日 | その他
2015.2.12 毎日新聞より

最近、「健康寿命を延ばす」ということがあちこちで話題になっています。一生の間、特に高齢期に出来るだけ自立して(人様の助けを借りずに)生活する期間を延ばすことが最重要課題として、 国家再興戦略など国の基本的な方針にまで取り入れられています。 例えば「2020年までに国民の健康寿命を1歳以上延ばす」ことが大きな目標の一つとなっています。
この「健康寿命(を延ばす)」という言葉は耳当たりが良く、受け入れやすい反面、最近はあまりにも安易に使われているように思います。私は長く高齢者の健康に関するさまざまな問題に、取り組んできましたが現在の日本のように平均寿命が80歳を超え、 今後90歳まで延びて行くいくような状況で、健康寿命を1歳以上も延ばすことは「至難のわざ」であると考えます。これは単に「生活習慣病を予防すればよい」 「再生医療や先進医療を加速させればよい」 「医療や介護のサービス体制
を整備すればよい」ということではないからです。
いずれも重要で大切な取り組みであることに異論はありません。 現在の日本のシニア、特に前期高齢者(65歳~74歳)は驚くほどに健康的で活動的、 社会への貢献度も高いです。しかし、後期高齢者(75歳以上)になると老化が目立つようになり、晩年を迎えてからの心身の機能低下は、どんな努力をしてもいかんともしがたい状態になります。超高齢社会を生きて行く私たちにとって、晩年の不健康は致し方のない面もあることを理解することが必要です。
人生晩年の心身が衰えることは必然的かつ不可避であり、 これを忌避することはできません。 最後は誰かに助けてもらわなくては、 生命を全うできないという現実を直視しなければならないと思います。
よく言われる「ピンピンコロリ」 は現実にはほとんどあり得ません。 健康寿命を一日でも長くするため普段から自助努力を尽くして暮らすと同時に、 やがては不健康となり周囲からの助けが必要となる自分をいつくしむこと、 それをしっかり受け止めることができるような心の準備もまた必要なのだと思います。

以下はネットで調べました。
日本の場合男性の平均寿命と健康寿命の差は9.6歳で、女性はその差は11.1歳です。日本は平均寿命と健康寿命両方とも高い水準にあるものの、平均寿命の延びに健康寿命の延びが追い付いていない状態です。その差が大きいということはそれだけ寝たきりになったり、介護を必要としたりして自立が失われた状態で生活する期間が長くなることを意味します。因みに外国の多くの国ではその差は7年程度にとどまっています。
私の場合平均寿命の86.6歳まで生き長らえるとすれば、 75.5歳の健康寿命も過ぎた今まだ9年近くもあります。健康寿命を一日でも長くするために、普段から心して過ごさなければならない。