![]() | 「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト角川書店このアイテムの詳細を見る |
旭山動物園の復活は、経済誌のコラムにも出ていたので、とても興味を持っていました。
1967年、人口36万人の旭川市に日本最北端の動物園が出来ました。上川盆地に位置した完全な内陸型気候の土地です。真夏は30度にもなり真冬は零下30度にもなって、一年の半分は雪に閉ざされて長く冬期は閉園していた動物園です。1980年以降レジャーの多様化により動物園への入場者は減り始め、1983年には年間59万人あった入園者が96年には26万人へと激減してしまいます。閉園も検討しなければならない事態になってきたのです。
だいたい動物園というのは年間入園者がその都市の人口くらい来るのが目安だそうですが、なんと、ここは2004年には年間145万人が訪れ、上野動物園を抜いて全国一の動物園に変身してしまうのです。
どういう段取りをして、何をして、どうやって入園者数日本一になったかが書かれています。倒産が近い企業が復活するのにも多いに参考になる本です。
パンダような珍獣・スターは一切いない動物園で、雪の積もった動物園になんかお客様は来っこないという思い込みを覆していく動物園!!私も行ってみたい!!
遠くの舞台にいる動物を「可愛い」と眺めているのではなくて、「すごい」「かっこいい」に変身させるのです。トラの家の前には職員手書きの説明文があります。トラの縞模様は派手に見えますが、森林に入ると迷彩模様になります。そして人間の眼で見たトラの見え方の写真と、鹿の眼で見たトラの見え方の写真が貼ってあります。
キングペンギンと散歩が出来ます。ヨチヨチ歩きのペンギンですが、一旦水中に入るとジェット機のように泳ぐのが判ります。おしっこやウンチが落ちてくることがあるかも知れませんが、握力400キロのオラウータンが地上17メートルのロープを伝って真上で空中散歩します。
アザラシの泳ぎ・360度の円形トンネルの中での泳ぎっぷりに感心することも出来ます。
人間男の握力は40キロ、絶対落ちっこないオラウータン空中散歩のアイデアがどうやって出てきて、新しいことには必ず反対があるという現状を打ち破って行ったか!!
冬の旭山動物園に行ってみたいです。ダイエーの幹部にも読んでもらいたい本です。