異文化交流クイズ。ファーストシーズン第10回。今回は再び食に関する問題から。
日本は当然米食文化ですが、当然国によって食する食べ物は違うわけで。一般的に江戸時代は「鎖国」していたと思われていますが、現実には必ずしもそうではなく……という話は長くなりますので省略しますが、江戸時代の読者達は様々な書物で世界中に雑多な人間がいること、そして彼らの身体的特徴や習俗を知ることが出来ました。
勿論その中には現実には存在しない、胸に穴が空いた「穿胸人」だの、首だけで動き回る「飛首蛮」だの、女だけの「女護島」の住人たちがいたわけですが、同時に現実に存在する東洋人は勿論、西洋人も、トルコ人も、アフリカ人も、かなりのところまでその身体的特徴や習俗について知られていました。自分の手元にもありますが「和漢三才図会」の人種の類型のところなどは非常に興味深かったりします。
もっともその知識が正確かというと当然おかしな思いこみもあるわけで。
今回の主題である「食」に関してですと「アフリカには食人種がいる」というのは既に江戸時代の地理学では「常識」だったりします。画家として高名な司馬江漢などは、彼らの食人風景を図解さえしているくらいで。
このような認識が当時の日本人にどれだけ知られていたかと云えば、メキシコ近海まで漂流していてしまった商人の船が、やっと陸地を見つけたにもかかわらず「そこが食人種の島ではないか?」とまず恐れた、という記録さえ残っているくらいですから、現在の我々が想像する以上に「日本の外にある国」という認識はあったようです。
この話のポイントは江戸の人間ですら、既に「中華秩序以外の世界」が日本の外に広がっていることを認識していた、という点なのですが、長くなるのでこの話はまた別項で。
さて、話を戻して上記の漂流船は最終的には英国商船に救われます。この漂流船の船長である小栗重吉は詳細な記録を残しているのですが、食については本当に苦労したようです。
その記録によると、彼は船で出されるパンに水が滴っているのを見て、空腹にもかかわらず当初は食べる振りだけして捨ててしまいます。
当時の長期航海ですので、カチカチの保存用パンを食べるために水に浸すのは仕方ない慣習なのですが、元々パンを食べる習慣のない日本人が「得体のしれない固い物体を水で浸して柔らかくした食べ物」を口にするのにはさぞ勇気がいったでしょう。
しかしある日、食卓に米が現れたので彼は大喜びしますが、それさえも「次の瞬間にはうんざりしてしまった」と記録に残しています。
さて、ここで今回のクエスチョン。彼は何故この米料理に「うんざり」してしまったのでしょうか?
日本人とイギリス人の米に対する態度の違いが明らかに見受けられる回答になります。
日本は当然米食文化ですが、当然国によって食する食べ物は違うわけで。一般的に江戸時代は「鎖国」していたと思われていますが、現実には必ずしもそうではなく……という話は長くなりますので省略しますが、江戸時代の読者達は様々な書物で世界中に雑多な人間がいること、そして彼らの身体的特徴や習俗を知ることが出来ました。
勿論その中には現実には存在しない、胸に穴が空いた「穿胸人」だの、首だけで動き回る「飛首蛮」だの、女だけの「女護島」の住人たちがいたわけですが、同時に現実に存在する東洋人は勿論、西洋人も、トルコ人も、アフリカ人も、かなりのところまでその身体的特徴や習俗について知られていました。自分の手元にもありますが「和漢三才図会」の人種の類型のところなどは非常に興味深かったりします。
もっともその知識が正確かというと当然おかしな思いこみもあるわけで。
今回の主題である「食」に関してですと「アフリカには食人種がいる」というのは既に江戸時代の地理学では「常識」だったりします。画家として高名な司馬江漢などは、彼らの食人風景を図解さえしているくらいで。
このような認識が当時の日本人にどれだけ知られていたかと云えば、メキシコ近海まで漂流していてしまった商人の船が、やっと陸地を見つけたにもかかわらず「そこが食人種の島ではないか?」とまず恐れた、という記録さえ残っているくらいですから、現在の我々が想像する以上に「日本の外にある国」という認識はあったようです。
この話のポイントは江戸の人間ですら、既に「中華秩序以外の世界」が日本の外に広がっていることを認識していた、という点なのですが、長くなるのでこの話はまた別項で。
さて、話を戻して上記の漂流船は最終的には英国商船に救われます。この漂流船の船長である小栗重吉は詳細な記録を残しているのですが、食については本当に苦労したようです。
その記録によると、彼は船で出されるパンに水が滴っているのを見て、空腹にもかかわらず当初は食べる振りだけして捨ててしまいます。
当時の長期航海ですので、カチカチの保存用パンを食べるために水に浸すのは仕方ない慣習なのですが、元々パンを食べる習慣のない日本人が「得体のしれない固い物体を水で浸して柔らかくした食べ物」を口にするのにはさぞ勇気がいったでしょう。
しかしある日、食卓に米が現れたので彼は大喜びしますが、それさえも「次の瞬間にはうんざりしてしまった」と記録に残しています。
さて、ここで今回のクエスチョン。彼は何故この米料理に「うんざり」してしまったのでしょうか?
日本人とイギリス人の米に対する態度の違いが明らかに見受けられる回答になります。