異文化交流クイズ。ジャポニズム特集第2回は「浮世絵同様、当初は個人的趣味で持ち出され、後に浮世絵同様、明治になって大量西洋に流出した、象牙やツゲの木などで作る日本独自の工芸品とは何でしょう?」という問題でした。
今回の正解は・・・『根付』でした。
この根付というのは「巾着袋や印籠、煙草入れなどの持ち物を着物の帯に吊り下げるために、紐の先端に滑り止めとしてつけて用いられていた小さな彫刻」のことで、江戸時代の男性なら誰でも持っていたものですね。
江戸期前半に形作られ、文化・文政期から江戸末期まで最盛期を誇った根付ですが、一般的なものはツゲのような堅い木に、高価なモノになると象牙に、様々な形――人間、動物、植物、建物などなど――の複雑で精巧な彫刻を施したものが作られました。
手放せない日常品であると同時に、帯の上の目立つところに身に着けられたことから、今日風で云うとさりげないお洒落の一環として、大いに発展したようです(中には現在もなお実物を前にしても「どうやって彫ったのか分からない」という超絶技巧の代物まであるそうで)。
勿論当の江戸期の人々は意識しなかったのですが、幕末以降やって来た外国人達の目にはまさに『ヨーロッパ人にとっては芸術は金に余裕のある裕福な人々の特権に過ぎない。ところが日本では芸術は万人の所有物なのだ』と映ったわけです。
もっともこの根付、現代の日本では滅多に見かけません。というのは明治期に入り、服装が和服から洋服に替わった時点で無用の長物(小さいですがw)と成り果て、精緻な根付はそこに芸術的価値を認めた欧米に大量流出。
日本国内には纏まった博物館がないのに対して、現在では倫敦の骨董街に競市が立ち、大英博物館、ロサンゼルス・カウンティー美術館など有名海外美術館において質の高い根付の展示が見られる、という逆転現象が発生しているのは嬉しいのやら悲しいのやら。
さて、ジャポニズムに関する基礎的な歴史の流れはこの二回でご説明致しましたので、来週以降、本格的に各論に
今回の正解は・・・『根付』でした。
この根付というのは「巾着袋や印籠、煙草入れなどの持ち物を着物の帯に吊り下げるために、紐の先端に滑り止めとしてつけて用いられていた小さな彫刻」のことで、江戸時代の男性なら誰でも持っていたものですね。
江戸期前半に形作られ、文化・文政期から江戸末期まで最盛期を誇った根付ですが、一般的なものはツゲのような堅い木に、高価なモノになると象牙に、様々な形――人間、動物、植物、建物などなど――の複雑で精巧な彫刻を施したものが作られました。
手放せない日常品であると同時に、帯の上の目立つところに身に着けられたことから、今日風で云うとさりげないお洒落の一環として、大いに発展したようです(中には現在もなお実物を前にしても「どうやって彫ったのか分からない」という超絶技巧の代物まであるそうで)。
勿論当の江戸期の人々は意識しなかったのですが、幕末以降やって来た外国人達の目にはまさに『ヨーロッパ人にとっては芸術は金に余裕のある裕福な人々の特権に過ぎない。ところが日本では芸術は万人の所有物なのだ』と映ったわけです。
もっともこの根付、現代の日本では滅多に見かけません。というのは明治期に入り、服装が和服から洋服に替わった時点で無用の長物(小さいですがw)と成り果て、精緻な根付はそこに芸術的価値を認めた欧米に大量流出。
日本国内には纏まった博物館がないのに対して、現在では倫敦の骨董街に競市が立ち、大英博物館、ロサンゼルス・カウンティー美術館など有名海外美術館において質の高い根付の展示が見られる、という逆転現象が発生しているのは嬉しいのやら悲しいのやら。
さて、ジャポニズムに関する基礎的な歴史の流れはこの二回でご説明致しましたので、来週以降、本格的に各論に