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父、アルツハイマーではなかった

私の父は89歳。今年の夏ごろからなんだかボケというか認知症では?という状態になり、自分から物事をする意欲も表情もなくなり、下の感覚すらわからない状態になってしまった。

まずは「薬のせい」を疑った。普段から睡眠導入剤を飲んでいるが、他の薬にも同様の成分があるのではないか?と思い、飲んでいる薬を見て驚き、素人ながらも不要と思うものを止めさせた。

それが7月ごろで、その時にブログに記事を書いている。

高齢者は薬で病気になる?

 

「睡眠導入剤が認知症につながる」というような事を聞きかじっていたため、まずはそれを疑った。その時期に勝手に規定以上にその薬を飲んだ事もあったのでなおさら。

ただ、そんな事では改善されず、掛り付けの医者から紹介状をもらい東京医大の高齢診療科(物忘れ外来)に連れて行った。その時の簡単な検査による医師の見解では「アルツハイマーの可能性もある」という事で、詳しい検査を受ける事になった。

日を改め、認知症の検査とCT、MRI検査を受ける。

 

実は、あまりにおかしいという状態になる2カ月前、父は自転車に乗っていてころび頭を打っていた。すぐに検査をしたのだが当時は特に問題なかった。しかしそれは時間を掛けて体に影響を与えていた。

東京医大での検査結果の説明を聞くと、脳の中に血が溜まっている事がわかった。「新鮮な血ではない」(そんな事もわかるのかと驚く)と言う。つまりは2カ月前に頭を打った事しか原因がない。

その時の医師の判断は、「慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)による意識障害」。(慢性とは「時間を掛けて」という意味なのだろう)

脳と頭蓋骨の間に溜まった血(*厳密には血ではないらしい。”水”と言っていた。)が脳を圧迫した事により、認知症のような症状になった可能性が高いと言う。

血(水)を流すために漢方薬(ツムラ)を処方され様子を見る事になった。

 

本人は、そのあたりから自分の意識が変わってきている(明るくなってきている)ように感じていたらしい。

確かにそれ以降、じょじょに改善してきていた。

 

1カ月後、状態確認のために、神経心理検査(認知症の検査?)とCT検査を受ける。

そして2週間後、検査結果の説明を受けた。「頭の中の溜まっていた血はなくなりつつある。」と言われた。神経心理検査(認知症の検査?)の結果も向上していた。

「やはり慢性硬膜下血腫による意識障害だったのだろう。アルツハイマーではない。たぶんこのままの状態だろう。」と。

一応治療も終了。

まあ、そういう事でよかった。

 

最初に東京医大に行ってから約2カ月。この間にほんとうに見違えるように症状が改善し、脳内の血の溜まりが減るに合わせて状態が変わっていくのを目の当たりにした。

ただし、今回の脳内の出血と関係があるかどうかわからないのだが、後遺症ともいえるかもしれい事があった。それは急に耳が遠くなった。

それを検査する事はとても難しい事らしく、「歳が歳だから」という事で医師は検査を勧めなかった。私もそれでいいと思った。

 

来月父は90歳になる。

 

そして私は、なし崩し的に介護状態に入った。

とはいえ、元気でいてくれるので、多く人の「介護」とはまった違うので楽ではあるが。。

 

**

他にも病気があり月に一度通院しているので、その付き添いをする。

今回それをやってわかった事がある。それは、

1)高齢者本人が医師と話しをしてもほぼ理解してない事。

2)自分の症状をキチンと説明していない事。できないと言ったほうがいいかも。

3)医師も一応説明はしているが、理解、納得、させようともしないだろうという事。

4)以上より過剰な薬の処方は、なくなるわけない事。

 

私の教訓を、親がまだ元気なあなたに伝えるとすると

めんどくさいし、イヤだろうけれど、

一度親といっしょに病院に行き、医師に説明を受ける事。

飲んでいる薬について調べてみる事。

場合によっては薬剤師に話しを聞いてみる事

をお勧めする。

付き添いは、できれば2~3度やってみると、医師も緊張感を持つと思う。

 

正直言って・・

医療や薬は怖い、と思った。

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