1日、中国でぜんそくや気管支炎を引き起こす微小粒子状物質「PM2.5」が大きな問題となっているが、復旦大学(上海)公共衛生学院の専門家の研究結果によると、「PM0.5」がもたらす人体へのリスクはPM2.5より大きいという。写真は上海のスモッグ。
2013年11月1日、中国でぜんそくや気管支炎を引き起こす微小粒子状物質「PM2.5」が大きな問題となっているが、復旦大学(上海)公共衛生学院の専門家の研究結果によると、「PM0.5」がもたらす人体へのリスクはPM2.5より大きいという。江蘇省の環境保護の専門家は、「『PM10』や『PM2.5』の観測を徹底することが現在の急務。『PM1』や『PM0.5』などの微小粒子だけを観測するのは今のところ現実的ではない」との見方を示している。金陵晩報が伝えた。
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「PM2.5」の問題がまだ解決していない間に、「PM0.5」の問題がやって来た。報道によると、復旦大学が発表した最新の研究成果によると、直径が0.50マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリメートル)以上の微小粒子の濃度は住民の健康リスクと顕著な関連性はなく、PM0.5の殺傷力はPM2.5よりも大きいという。同研究結果は大きな波紋を呼び、江蘇省環境保護庁の劉建琳(リウ・ジエンリン)チーフエンジニアは、「客観的に見ると、粒子が小さくなるほど、人体に与えるリスクは大きくなる。なぜなら、人が吸い込み肺泡に入ると、呼吸により出てくることはないから。ただ、正確な定論はまだ出ておらず、これまでに世界でPM0.5を専門に観測しているという情報も聞いたことがない」と話した。
実際には、粒径というのは実際の粒子の直径ではなく、空気動力学径と呼ばれるものを指しており、例えばPM2.5は空気力学径が2.5マイクロメートル以下の粒子のことである。劉チーフエンジニアは、「現在、各級の政府が特に注目している指標は、国が規定している基準指標。科学研究が一歩先を行くのは普通のことだが、PM0.5の指標は現在、研究課題にすぎない」とした。さらに、同省の環境観測センターの張祥志(ジャン・シアンジー)主任も、「今年、新しい大気の質の基準が採用されて以降、中国はPM2.5を観測項目に盛り込んだ。現在はPM10とPM2.5の観測を徹底することが急務」との見方を示した。