週に一度の納品日に向けて仕上げ作業の真っ最中
坪付け作業が終わり、これから曲げて鼻緒に仕上げます。木槌で少しずつ叩きながら、中に入っている芯やワタなどを柔らかくして、鼻緒の形になるように曲げていきます。
ちょっとだけ脱線・・・
私が初めて曲げの作業をしたのが、今から約18年前です。師匠である父から少しだけコツを教わり、来る日も来る日も曲げばかりの日々手にできたマメが無くなることはなく、手や腕の筋肉痛がとれることはありませんでした私の父は無口な頑固一徹で、根っからの職人気質、まさに昭和のオヤジです。最初に少しやり方を教えただけで後は何も言ってくれないのです。技は見て盗め!と無口なオヤジの背中が語っているようでした。今では毎日何でもないように曲げていますが、ふっと昔を思い返すと懐かしく感じられます。そんな父も4年前に他界。口数の少ない父から学んだことが私の大きな財産です。
さぁ~昔話はこの辺でおしまいにして、本題に戻ります
何とか数時間かけて曲げの作業が終わりました。
これで納品準備完了です。後は素敵なお客様に出会い、愛される履物になってくれることだけを信じ納品したいと思います。何だか娘をお嫁に出すみたいです・・・
日頃、鼻緒の製造をしている仕事場を紹介します。
都内の足立区で製造しています。広さは25畳くらいのワンフロア。足立区と言えば下町のイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。今でも周囲に駄菓子屋があり、買い物籠を持った奥様方が買い物をする姿をたまに見かけます
元々、履物関係の業者や職人さん達は台東区浅草の花川戸周辺に集中していました。そのうち数名の職人さん達が戦時中の空襲から逃れるため、今の足立区に移り住んだと先人から聞いたことがあります。今でも足立区内には数名の鼻緒職人や台職人がおられます。
次に「はな壱」で大活躍の工業用ミシンです。
JUKI(日本製)の工業用ミシンです。パワー・スピードは勿論のこと、静寂性も問題ありません。さすが日本製このミシンは中古で購入しましたが、状態はとても良好です。毎日、ミシン油と愛情を注いで可愛がっています他にも数台の工業用ミシンがありますが、かなりの年代物です。近いうちに寿命を迎えそうな感じですが、先立つものが無いので、もう少し頑張ってほしいです
皆さん、はじめまして。都内で和装草履の鼻緒を製造・加工をしている「はな壱」と申します。私は今年42歳。職人歴18年。祖父~父~私。私で3代目になります。
意外と知られていないのですが、和装草履は台と鼻緒、そしてそれらを付ける(すげる)職人たちの分業によって製品となっているのです。そのほとんどが手作業でメイドインジャパンなんですよ!。当然、各々の職人たちはベテラン揃いです。何となく草履=高価な訳もわかりませんか~?
鼻緒職人の世界は主に3つに分類されています。男物用(雪駄など)・女物用(草履など)・下駄用と。はな壱は、そのすべてを製造・加工をしています。全国的に見ても珍しいと思います。
さぁ~さてさて。本題に入りまして。鼻緒職人とは生地から鼻緒にするまでがお仕事です。鼻緒といっても種類や太さ、素材など、本当に色々ありまして奥が深いです・・・
詳細につきましては、また後日にします。
これからも鼻緒の世界について書いていきたいと思います。ご期待ください!