鼻緒匠 はな壱 ~鼻緒職人の世界~

全国的に鼻緒を作る職人の数は減少の一途を辿っています。鼻緒職人の仕事内容や鼻緒についてなどをブログに載せていきます。

鼻緒の加水分解

2014年07月15日 22時58分06秒 | インポート

加水分解という言葉を聞いたことがありますか?合皮(合成皮革)などが経年劣化により、ボロボロとなり、粉を吹いたような状態になることを、一般的に加水分解と言います。合皮の場合、早ければ2~3年で加水分解が起こると言われています。

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ご覧のように、とてもヒドイ状態です。これでは履いて出かけることはできません。お持ちいただいたお客様は、今年の夏、この桐下駄をお孫さんに履かせたいとの事で、鼻緒の挿げ替えを注文されました。お客様のご要望は「鼻緒をシンプル、且つ可愛らしい感じにして欲しい!」との事でしたので、臙脂の三越本天丸鼻緒に、からし色の前坪がアクセントの鼻緒に挿げ替えました。

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以前とは見違えるほど綺麗な下駄に仕上がりました。下駄の台が鎌倉彫でしたので、鼻緒はシンプルの方が台の美しさを損なう事がないので、とっても良い組み合わせだと思います。

ご自宅にある草履や下駄も鼻緒を挿げ替えるだけで、また違った風合いの履物になりますよ!鼻緒の挿げ替えは、是非はな壱にお任せください。

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きものサローネ 無事終了♪

2013年10月24日 17時34分20秒 | インポート

10月20日~22日に開催されました「きものサローネin日本橋」に初めて出展させていただきました。今回は、胡蝶履きでお馴染みの神田胡蝶さまのブースを間借りしての出展となりました。

来場者の皆様やスタッフの方々のおかげで無事に終えることが出来ました

本当にありがとうございました

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今回、初めて皆さんの前で「鼻緒の制作実演」をさせていただきました。いつもと同じことをしているだけなのに、変に力が入ってしまい初日は本当に緊張しました。しかし、2日目、3日目と実演していくうちに、少しずつ場の雰囲気にも慣れ、長かったようで短かった3日間を楽しく過ごすことが出来ました

日頃、私たちは工房内で制作しているため、お客様と直接触れ合う機会がありません。今回のイベントを通じて、お客様から色々なお話を聞かせていただくことが出来ました。お客様からの貴重なご意見を、今後の鼻緒制作に反映させたいと思います。

また来年も参加したいと思いますので、その際はよろしくお願い申し上げます

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きものサローネin日本橋

2013年08月28日 16時26分36秒 | インポート

10月20日(日)・21日(月)・22日(火)に開催される「きものサローネin日本橋」に出展させていただくことになりました。お取引先メーカーのブースをお借りして、鼻緒の製造実演をする予定です鼻緒の製造実演は過去に前例がなく、作るこちらは今から緊張MAXなのですが、せっかくの機会なので伝統的な手法をお見せしたいと思います。当日は入場無料です詳細はホームページでご確認のうえ、是非ご参加いただきたいと思います。http://kimono-salone.com/

このイベントには和装に関わる多くのメーカーさんが出展する予定です。私自身もこの機会に色々と見て回り、今後の参考になるよう勉強したいと思っています

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鼻緒の製造工程

2013年02月12日 23時12分55秒 | インポート

鼻緒の製造工程を写真で紹介したいと思います。

生地の裁断

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一枚一枚、鼻緒の種類によって決められている幅(断ち分)で裁断します。プロの裁断者は0.1㍉の誤差も許さないレベルです

縫製作業(工業用ミシン)

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工業用ミシンによる縫製作業です。生地の厚さや種類等により、色々と工夫しながら作業します。家庭用ミシンと違い、パワーやスピードがあるので慣れるまでは少し怖い思いをするかもしれません・・・

縫製作業完了

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複数回ミシン掛けをすることにより、生地を筒状に仕上げます。この段階で捻じれていると最後の仕上げが上手くいきません。ミシン掛けをする人の腕の見せ所です「はな壱」では生地を筒状に仕上げたものをと呼んでいます。

引き通し(芯通し)

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ミシン掛けで筒状になった矢の中に、綿や厚紙、麻ひも等を入れる工程を「引き通し」や「芯通し」などと言います。引き通しは、履き心地を左右する大事な工程です。鼻緒の種類や太さによって中に入れる物が変わるため、覚えるまでには少し時間がかかります。

坪付け

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引き通しを終えた矢の中央に坪を付けます。坪とは、足の親指と足の人差し指の間で草履を支える大事なパーツです。「前坪」や「壺」などと言われることもあります。

坪付け完了

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坪付けが完了しました。坪付けは全て縫い針を使った手作業です。坪付けの注意点は糸に緩みが無いようにきつめに縫い付けることただこれだけです

曲げ(仕上げ)

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いよいよ、ここからが仕上げ工程です。坪付けが終わった矢を先の尖った金属の棒に引っ掛けて曲げます。この「曲げ」は熟練を要する大事な工程です。曲げる角度や力加減などなど。
鼻緒全体のフォルムを決める、気の抜けない工程なのです・・・

曲げ完了

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曲げ工程が終わりました。これで鼻緒が出来上がりました

前巻き(総仕上げ)

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曲げ終わった鼻緒の坪に白い紙を巻きつけます。これで鼻緒の製造工程は全て終了です

今回ご紹介したように鼻緒の製造工程のほとんどが手作業です。機械化されている今日ですが、未だに昔ながらのやり方を継承しています。写真では説明出来ない細かな工程も多々ありますが、何となくご理解いただけたのではないでしょうか。今回ご紹介しました鼻緒の製造工程は「はな壱」内で全て出来ます。何かご質問等がありましたら、是非コメントいただきたいと思います。

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