鼻緒匠 はな壱 ~鼻緒職人の世界~

全国的に鼻緒を作る職人の数は減少の一途を辿っています。鼻緒職人の仕事内容や鼻緒についてなどをブログに載せていきます。

ハリスツイード(HarrisTweed)鼻緒 新作♪

2015年12月29日 14時46分22秒 | ニュース
今日はツイード生地の中でも別格の存在感を持つ「ハリスツイード」を使用した鼻緒をご紹介します。

ハリスツイードをご存知の方も多いと思いますが、簡単にご説明したいと思います。ハリスツイードとは、スコットランドの北西部(ハリス島・ルイス島など)で織られたツイードのことを言います。少し粗めに織られた厚手の生地で、使えば使うほど風合いの出てくる生地です。ツイードと言えばハリスツイードと言われるぐらい全世界的にも有名ですよね。

今回は、そのハリスツイードを使い福林鼻緒を作りました。鼻緒の上生地にハリスツイードを使い、下生地と前坪には三越本天を使いました。少し太めで履きやすいタイプに仕立てました。









ご覧ください!異国情緒漂う、暖かみのある鼻緒だと思いませんか?色合いが可愛らしいもの、落ち着いた趣のあるものと、今までの和の世界にはない鼻緒ですよね。これなら寒い時期のお出かけも楽しくなりそうです。今までは鼻緒に使用する生地といえば和の物と決まった感じでした。しかしこれからは、ハリスツイードのような海外の生地を使って、新しい和の世界を作っていければと思っています。



これから本格的にハリスツイード鼻緒を全国展開していきたいと考えています。このハリスツイード鼻緒についてご質問等がございましたら、是非弊社へお問い合わせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。



東京都足立区関原3-8-7
は な 壱  03-3880-1584
suchanz@crocus.ocn.ne.jp





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老舗履物店 両玉一本鼻緒(牛革製)

2015年08月11日 16時07分22秒 | ニュース
東京都内で100年以上続く老舗履物店の定番鼻緒が出来るまでを、なるべく詳細にご紹介したいと思います。今回ご紹介する鼻緒は通称「両玉一本鼻緒」と呼ばれている定番の鼻緒(牛革製)です。鼻緒の玉とは、鼻緒の両サイドに見えるレール状の物を言います。



見た目は何でもない普通の鼻緒ですが、比較的細めのタイプになりますので、職人の技量に差が出る鼻緒です。鼻緒の細さには限界があり、細ければ細いほど仕立てが難しくなります。





これからミシン掛けをしていきます。まず初めは玉を縫い付ける作業です。弊社では「玉付け」と呼んでいます。玉は約1cm幅に裁断した細めの生地です。曲がらないように慎重に縫い付けていきます。



玉付けが終わりました。曲がらずに、まっすぐ縫い付けることが出来ました。



次は「落としミシン」と言われるミシン掛けの最終作業です。この「落としミシン」が最も熟練を要する難しい作業になります。



ミシン作業を終えた筒状のものに鼻緒の骨となる芯材を挿入していきます。この作業を「引き通し」と弊社では呼んでいます。鼻緒の太さによって中に入れる芯材を変えます。



引き通しが終わりました。次は前坪を付ける作業です。「坪付け」と言われる作業です。





前坪を付け終えたら、次は最終仕上げの「曲げ」作業です。この作業は曲げる角度や力加減が微妙で経験がモノを言う熟練の作業です。



曲げ作業を終えた後は、前坪に和紙を巻きつけて出来上がりとなります。



自画自賛ですが・・・今回もキレイな鼻緒が出来ました。





このあと老舗履物店でステキなお客様と出会い、永くご愛用頂けると本当に嬉しく思います。


※ 弊社「はな壱」では、以上の全工程を社内で一括して行っています。

は  な  壱
東京都足立区関原3-8-7
03-3880-1584
suchanz@crocus.ocn.ne.jp


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鼻緒加工業

2015年08月08日 22時09分49秒 | ニュース
今日は鼻緒が市場に流通するまでを少しご説明したいと思います。

皆さんのお手元に「鼻緒」が届くまでには何社もの中間業者を経て届いています。


① まず初めに、生地問屋や皮革問屋等から鼻緒の元となる生地を履物製造業者が仕入ます。

② 仕入れた生地を鼻緒に加工できるように、履物製造業者が生地の加工を行い、鼻緒の形状や足数に応じて裁断します。

③ 裁断を終えた生地は、鼻緒加工業者の元へ加工依頼されます。

④ 鼻緒への加工を終えた「鼻緒」は、依頼元の履物製造業者へ納品されます。

⑤ 履物製造業者へ納品された「鼻緒」は、その後履物問屋へと渡ります。

⑥ 履物問屋から全国の小売店へ運ばれ店頭に並びます。

以上が基本的な「鼻緒」の流通形態です。当然のことですが、すべて MADE IN JAPAN です。


たかが「鼻緒」なのですが、皆さんの元へ届くまでには、数えきれないほどの技術と時間を要しています。本物の鼻緒が高価なのには以上の理由があるのかもしれませんね。ちなみに弊社は③④の「鼻緒加工業者」になります。
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「通し坪」 「坪通し」

2013年05月14日 19時07分00秒 | ニュース

今日は前坪の付け方についてご紹介したいと思います。

一般的な坪付けは「かぶせ」と言われています。由来は鼻緒の「矢」に坪をかぶせるように付けるためお店に出回っているほとんどの草履が「かぶせ」で坪付けされています。

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次は「通し坪(坪通し)」です。はな壱では「通し坪」と呼んでいるので、以下は「通し坪」とします。

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そうなんです前坪が矢を貫通しているが、おわかりいただけると思います

「通し坪」の起源は、おそらく男物鼻緒ではないかと思います。南部畳表に白革鼻緒をすげた雪駄は、正式な場所に履いていく男物礼装履物の定番数十年前、関西地方の老舗メーカーが、その鼻緒を女物に流用し密かな人気となり、今日に至っています。

初めて「通し坪」を見た時、正直ビックリしました

鼻緒に穴を開けて、坪を突き刺して、坪付けしてるの

斬新なのは勿論のこと、それより何より無茶なことするなぁ~と思いました。でも、それが不思議なことに見慣れてくると趣があるというか、落ち着いた感があるというか、格好いいなぁ~と思うようになってきました。見た目のインパクトだけではなく、実は足の甲にフィットするように、ちゃんと計算された形状になっており、履き心地がとっても良いのです

それでそれで・・・ここからが鼻緒職人の本音なのですが

「通し坪」は本当に本当に手間がかかるのです

まずはじめに専用の小刀で穴を開けます。穴を開ける位置を間違えると取り返しがつかないので慎重に穴を開けます開けた穴に坪を通し、坪付けをします。その後に「曲げ」の工程に入るわけですが、この「曲げ」も一筋縄ではいかないのです通常とは違い「爪曲げ」と言われる男物仕様で仕上げるのですが、これが何と言っても一苦労ひとつひとつ指先と爪を使って形を整えていくのですが、通常の「曲げ」の何倍も時間がかかります。本当に職人泣かせの鼻緒なのです

今日現在、関東地方で「通し坪爪曲げ」が出来る職人は私を含め2~3名ではないでしょうか。以前はもっといたと思いますが、皆さん高齢で辞めてしまったり、お亡くなりになったりと・・・。全国的に鼻緒職人の数も右肩下がりですが、今いる職人の中で、さらに「通し坪」が出来る職人の数は、本当に少なくなってきているのが現状です。もし、お店等で「通し坪」をご覧になる機会がありましたら、とても希少価値のある鼻緒であることを思い出していただけましたら幸いに存じます

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新作鼻緒  ☆ DECO鼻緒(デコ鼻緒) ☆  

2013年04月05日 18時12分08秒 | ニュース

実用新案登録した新作鼻緒をご紹介します

はな壱謹製 ☆ DECO鼻緒 ☆ です。

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鼻緒の上に付いている、お花をモチーフにしたDECOパーツ。サイズは直径12㍉、スワロフスキーを7石使った高級感たっぷりのDECOパーツです。

成人式の晴れ着やパーティーの席などにピッタリ

しかもしかもこのDECOパーツは取り外しが可能なのです

次の写真は替えのDECOパーツです。

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このDECOパーツをご自身で付け替え、その日の気分やTPOに合わせて和装を楽しむことができるのです

1枚目(アクアマリン)、2枚目(レッド)、3枚目(クリスタル)の画像はDECOパーツを付け替えただけです。雰囲気がかなり変わったのがおわかりいただけると思います。

まだまだ、これから色々なDECOパーツを作り、発表していきたいと思っています。今後もご期待下さい

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