先日、草履の修理を承りました。
そのお客様は以前にも当店で修理をされたことのある方で、今回で2回目のご依頼です。
修理箇所は前坪取り替えです。
前坪は最も切れやすく、傷みやすい箇所で、修理で一番多い場所です。
元は合皮の前坪が付いており、経年による加水分解等の痛みが進んでおりました。
一度、鼻緒全体を台から抜いて、同色の新しい革の前坪に付け直しました。
今の時代、古くなったら捨てて、新しいものに買い換える傾向にあると思います。本当に慣れ親しんだものに愛着をもって、修理してまた永く使う。とっても素敵なことだと思います
古くなった草履を捨てる前に、修理をしてみてはいかがですか。是非一度「はな壱」にご相談くださいませ
さて、お問い合わせの件についてですが、お草履は鼻緒のすげ替えが可能なタイプでしょうか?草履の裏側(底)にホチキスの針のような物で閉じてあれば大丈夫です。
その他、お草履の台がすげ替えに耐えうるかどうかについては、一度草履を拝見し状態を確認したうえで判断させていただきたいと思います。
お草履は、お近くの方でしたら直接お持ちいただくか、遠方でしたら宅配便でお送りいただきたいと思います。
鼻緒の前坪交換は1000円(税込)~です。宅配便等を利用した場合の送料はお客様のご負担とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
一般的な男物の鼻緒は幅15㎜~20㎜です。鼻緒の形は高原や福林が多いと思います。製造工程において鼻緒を細目に仕立てるには限界があります。
また、素材が印伝等の本革の場合、さらに困難を極めます。お探しの幅10㎜の鼻緒は、かなり細めの部類に入ります。
残念ながら、はな壱では現在お作りすることが出来ません。昔は細い鼻緒が主流であったと先人から聞いたことがあります。古くから営業されている履物店などで、数十年前の在庫があれば、偶然見つけることがあるかもしれません。ご参考にしていただけると幸いです。