いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

(第11話)期待・・ / [小説]甘い誘惑

2010-12-19 22:48:51 | [小説]甘い誘惑
<ここまでの話>
【第1部】
(第1話)きっかけ・・
(第2話)待ち合わせ・・
(第3話)イタメシ屋・・
(第4話)ワイン・・
(第5話)胸・・
(第6話)手・・
(第7話)電車・・
(第8話)携帯電話・・
(第9話)神様のバカ!・・

【第2部】
(第10話)存在・・

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【2度目のご挨拶】
前回の10話「存在・・」を1年ぶりに書いたのに、その後少々色々ありまして(汗;)
また執筆が止まっていました・・(また1年開いちゃいました・・ 全力で反省中・・)

ということで、ぼちぼち再開しますね(^^)ゞ 
(書き出す動機に何かあったのか? は、秘密で~す♪)
[小説]ガンダム外伝ともども、よろしくお願いいたします(^O^)/
                                 ichigowasabi
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技術交流会の欠席者に対し、再度明確な欠席理由を上長(課長)に
確認させる指示を出し、数日が経過したが、彼女の部署からの返答は
まだ届いていなかった・・

(仕事が大変なんだろう・・
 久しぶりに会いたい気持ちもあるが、業務優先は仕方が無いか・・)

と大人の考えもあるのだが、どこかに子供のように残念に思う気持ちを
消し去る事は出来ていなかった・・

そんなある日・・
技術交流会が週末に予定されている週の水曜日の朝の事だった
私は営業部長に呼ばれ、部長室を訪れていた・・

「部長・・ 朝からなんですか? 急ですね・・」

「おお!待っていたよ・・ 確か君は5年ほど前に大きなプロジェクトを
 担当したよな・・」

「ハイ・・
 まぁ顧客は片田舎の温泉町の会社でしたが、最近のインターネットの普及で
 都市部に居なくても大きな商売ができるようになり・・ あの案件の成功で
 業績も大きく伸ばされていると聞いています・・
 地方にも優良企業があるって事例の代表格ですね!」

「そうなんだ! その顧客なんだけど、次期プロジェクトの草案が立ち上がっている
 その企画段階から我が社に引き合いがあってな・・ つまり君の業績が評価されて
 の引き合いだ・・」

「ほう! それは嬉しいお話ですね♪」

「でな、先月から2課に担当をまかせ、対応させているのだが・・
 顧客要件が複雑でな、ステークホルダーも多いらしい・・
 今、2課の課長自らも参画させているのだが・・ 多忙でな・・
 メンバーもホテル住まいで対応中だ、技術交流会も欠席になる・・」

(2課? 彼女の課だ・・ 課長が出張っているって・・
 だから交流会欠席の状況報告も遅延しているのか・・)

「そうなんですか・・ 2課は技術交流会の欠席者が多く、また再確認の返答も無く」

「そりゃそうだろ・・ 君には悪いが優先順はプロジェクトだからな・・
 今、このメンバーが行っている・・ 課長も貼りつきだ・・」

と名簿を手渡された・・

(2課の課長は彼か?・・ まぁ若いがやり手なので問題はないか・・)

などと考えながら目を落としていくと・・
見慣れた文字列を名簿に見つけた・・ 彼女の名前だ!・・
鼓動が早くなる・・

(そうか・・ だから技術交流会も欠席なのか・・ )

「でな・・ 君を呼んだのは他でもない・・
 技術交流会のスタッフ部門の君にお願いするのは辛いのだが・・
 今週末に、この顧客を訪問してくれないか?
 5年前のプロジェクトマネージャだった部長がな、今は副社長になっていて
 今回のプロジェクトの統括責任者でもあるんだ・・
 先ほど2課の課長から副社長のスケジュールを入手した・・
 技術交流会とダブルブッキングになってしまったが・・ どうだろ?
 申し訳ないが、行ってくれないか?」

「は? い・・今、何と・・」

高ぶる声を抑え、たったそれだけしか言えない自分がそこに居た・・
(なんて事だ! これも神様のいたずらなのか♪
 だったら、そのいたずらに乗ってやろう!! 神様め!覚悟しろ!!)

「ん? やっぱり都合が悪いか・・ 君の部署が技術交流会の担当部署だからな・・
 でも・・ 私の立場も解るだろ? 出来ないだろうか?」

「いや・・ そんな事はありません! 技術交流会の担当は部署全体で担当します
 私1人が居なくても、他のメンバーが居ますので大丈夫です。
 でも、このプロジェクトのお話は、私しかできません!優先順は明確ですよ!」

「おお!そうか!行ってくれるか!! では、金曜の夕刻にこちらを発ってくれ!
 2課の課長が駅まで迎えに来る・・ ホテルで休んで、土曜日の午前から
 副社長との会談だ・・ 頼んだぞ!!」

「了解です・・ 昔話に花が咲きそうですが、話題は新しいプロジェクトの話ですね
 現時点の問題点などもまとめ、腹を割って話し合ってきます!」

「だな! そうそう! 日曜は用事がなければ現地でゆっくりしてくれ、
 技術交流会が開催される立派な温泉街ではないが、
 あそこも小さいながら老舗の温泉街だ・・」

「そうですね、お言葉に甘え、世相の垢でも落としてきましょうか♪」

「じゃ・・ 詳細は2課と詰めてくれ!」

「ハイ! 解りました・・」

部長室を後にする・・ なんだか気分が最高だ!
ひょんな事から出張だ・・ それも温泉に泊りがけ・・
いや・・そんな事より、その出張先に彼女が居る♪ これが最大限に重要事項だ!

期待と妄想で、私の思考回路はパンク寸前になっていった・・

・・・

金曜日の夕刻・・ 私は車中の人となっていた・・
技術交流会の前日から1泊・・(いや2泊)の出張だ!

(彼女に会える! でも、会って何を言おうか?)

と、悩んでしまうが、そんな悩みを考える事も楽しい時間になっていた♪
気分が軽くなると、身体も軽く感じる♪(いい感じだ♪)

そんな時、携帯電話のバイブが振動する・・ (ん?電話?・・ 誰だ?)
表示された電話番号にすばやく全身が反応する!

(か・・ 彼女からだ!)

慌てて席を立ち、車両の連結部に異動しながら電話に出た・・

「も・・ もしもし・・」

「・・・ あっ私です! 覚えておられますか? 今、電話・・大丈夫ですか?」

「もちろん、覚えてるに決まっているだろ♪・・」

「・・・ 良かったぁ♪ なかなか電話が掛けにくくって・・ご無沙汰しています
     で、久々に明日会えますね! すっごく楽しみにしています♪」

(おお!・・もう、私が行く事を聞いたのか♪)

「そうだね・・ 私も君に会えるのを楽しみにしてる・・
 そうだ! 夜に一杯引っ掛けようか? 君が良ければだが・・」

(ドキドキ・・ 一体・・ 私は何を口走っているんだ!!
 変な風に思われたら・・ ダメじゃないか!! )

思わず自分の口から出てしまった下心がある言葉に躊躇する!

(一体、彼女はなんて答えるんだろう・・)

そんな私の心の葛藤などとは関係なく、彼女が即答する・・ 

「・・・ ええっ・・良いんですか? じゃあ、宴会が終わったら抜け出しますか?♪」

(おお! やはり彼女は思った通りの良い娘だ・・ 良かった♪
 で・・ なにぃ? 宴会を予定しているのか? そんな事をしなくても良いのに、
 あの課長は律儀だから、まぁ良いか・・)

「そうだな・・ 抜け出すか?」

(ドキドキ・・)

「・・・ ですね♪ 良いお店があったら良いですね♪」

「うん、あの温泉街は前に行った事がある・・ 店はあるぞ♪」

「・・・ じゃあ、お願いしますね・・ 美味しい奴、楽しみにしています♪」

「任せろ! で・・ そっちの状況はどうなんだ?」

「・・・ まぁ・・ 進展しそうでしないと言うか・・ 課長任せですね」

「そうだな・・ あいつはできるからな・・」

「・・・ あっ・・ すみません、もう駅に着くので・・ では、明日♪」

「おう!明日な♪ おやすみ・・」

「・・・ おやすみなさい・・ じゃ切りますね♪」

もっと話したい・・と、逸る気持ちを抑え、電話を切る・・
本当に久々の彼女の声を聞いた・・ 元気そうでよかった!

(というか、今日の出迎えは課長だけか・・ まぁそれは仕方が無いな・・)

少し期待していただけに残念でもあるが、今は耳に残っている
心地よい彼女の声の残響を楽しんでいた・・
明日には声だけでなく、彼女の顔も見ることができるんだ!
連結部のデッキから座席に戻る間に、にやけている顔に気づき
年甲斐もなく、はしゃぐ心を自覚する
少々赤面している自分にも苦笑し、思わず周りを見渡す自分がそこに居た・・

そうこうしている間に、列車が目的地の駅に近づき減速する、
彼女が居る町の明かりが、私を迎えてくれている!
清楚で平凡な田舎町なのだが、大きな期待感から
私の目には別世界のように素晴らしい町並みに、輝いて見えていた・・

(第12話)不倫温泉・・」に続く・・・
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