<ここまでの話>
【第1部】
「(第1話)きっかけ・・」
「(第2話)待ち合わせ・・」
「(第3話)イタメシ屋・・」
「(第4話)ワイン・・」
「(第5話)胸・・」
「(第6話)手・・」
「(第7話)電車・・」
「(第8話)携帯電話・・」
「(第9話)神様のバカ!・・」
【第2部】
「(第10話)存在・・」
------------------------------------------------------------------------------
【2度目のご挨拶】
前回の10話「存在・・」を1年ぶりに書いたのに、その後少々色々ありまして(汗;)
また執筆が止まっていました・・(また1年開いちゃいました・・ 全力で反省中・・)
ということで、ぼちぼち再開しますね(^^)ゞ
(書き出す動機に何かあったのか? は、秘密で~す♪)
[小説]ガンダム外伝ともども、よろしくお願いいたします(^O^)/
ichigowasabi
------------------------------------------------------------------------------
技術交流会の欠席者に対し、再度明確な欠席理由を上長(課長)に
確認させる指示を出し、数日が経過したが、彼女の部署からの返答は
まだ届いていなかった・・
(仕事が大変なんだろう・・
久しぶりに会いたい気持ちもあるが、業務優先は仕方が無いか・・)
と大人の考えもあるのだが、どこかに子供のように残念に思う気持ちを
消し去る事は出来ていなかった・・
そんなある日・・
技術交流会が週末に予定されている週の水曜日の朝の事だった
私は営業部長に呼ばれ、部長室を訪れていた・・
「部長・・ 朝からなんですか? 急ですね・・」
「おお!待っていたよ・・ 確か君は5年ほど前に大きなプロジェクトを
担当したよな・・」
「ハイ・・
まぁ顧客は片田舎の温泉町の会社でしたが、最近のインターネットの普及で
都市部に居なくても大きな商売ができるようになり・・ あの案件の成功で
業績も大きく伸ばされていると聞いています・・
地方にも優良企業があるって事例の代表格ですね!」
「そうなんだ! その顧客なんだけど、次期プロジェクトの草案が立ち上がっている
その企画段階から我が社に引き合いがあってな・・ つまり君の業績が評価されて
の引き合いだ・・」
「ほう! それは嬉しいお話ですね♪」
「でな、先月から2課に担当をまかせ、対応させているのだが・・
顧客要件が複雑でな、ステークホルダーも多いらしい・・
今、2課の課長自らも参画させているのだが・・ 多忙でな・・
メンバーもホテル住まいで対応中だ、技術交流会も欠席になる・・」
(2課? 彼女の課だ・・ 課長が出張っているって・・
だから交流会欠席の状況報告も遅延しているのか・・)
「そうなんですか・・ 2課は技術交流会の欠席者が多く、また再確認の返答も無く」
「そりゃそうだろ・・ 君には悪いが優先順はプロジェクトだからな・・
今、このメンバーが行っている・・ 課長も貼りつきだ・・」
と名簿を手渡された・・
(2課の課長は彼か?・・ まぁ若いがやり手なので問題はないか・・)
などと考えながら目を落としていくと・・
見慣れた文字列を名簿に見つけた・・ 彼女の名前だ!・・
鼓動が早くなる・・
(そうか・・ だから技術交流会も欠席なのか・・ )
「でな・・ 君を呼んだのは他でもない・・
技術交流会のスタッフ部門の君にお願いするのは辛いのだが・・
今週末に、この顧客を訪問してくれないか?
5年前のプロジェクトマネージャだった部長がな、今は副社長になっていて
今回のプロジェクトの統括責任者でもあるんだ・・
先ほど2課の課長から副社長のスケジュールを入手した・・
技術交流会とダブルブッキングになってしまったが・・ どうだろ?
申し訳ないが、行ってくれないか?」
「は? い・・今、何と・・」
高ぶる声を抑え、たったそれだけしか言えない自分がそこに居た・・
(なんて事だ! これも神様のいたずらなのか♪
だったら、そのいたずらに乗ってやろう!! 神様め!覚悟しろ!!)
「ん? やっぱり都合が悪いか・・ 君の部署が技術交流会の担当部署だからな・・
でも・・ 私の立場も解るだろ? 出来ないだろうか?」
「いや・・ そんな事はありません! 技術交流会の担当は部署全体で担当します
私1人が居なくても、他のメンバーが居ますので大丈夫です。
でも、このプロジェクトのお話は、私しかできません!優先順は明確ですよ!」
「おお!そうか!行ってくれるか!! では、金曜の夕刻にこちらを発ってくれ!
2課の課長が駅まで迎えに来る・・ ホテルで休んで、土曜日の午前から
副社長との会談だ・・ 頼んだぞ!!」
「了解です・・ 昔話に花が咲きそうですが、話題は新しいプロジェクトの話ですね
現時点の問題点などもまとめ、腹を割って話し合ってきます!」
「だな! そうそう! 日曜は用事がなければ現地でゆっくりしてくれ、
技術交流会が開催される立派な温泉街ではないが、
あそこも小さいながら老舗の温泉街だ・・」
「そうですね、お言葉に甘え、世相の垢でも落としてきましょうか♪」
「じゃ・・ 詳細は2課と詰めてくれ!」
「ハイ! 解りました・・」
部長室を後にする・・ なんだか気分が最高だ!
ひょんな事から出張だ・・ それも温泉に泊りがけ・・
いや・・そんな事より、その出張先に彼女が居る♪ これが最大限に重要事項だ!
期待と妄想で、私の思考回路はパンク寸前になっていった・・
・・・
金曜日の夕刻・・ 私は車中の人となっていた・・
技術交流会の前日から1泊・・(いや2泊)の出張だ!
(彼女に会える! でも、会って何を言おうか?)
と、悩んでしまうが、そんな悩みを考える事も楽しい時間になっていた♪
気分が軽くなると、身体も軽く感じる♪(いい感じだ♪)
そんな時、携帯電話のバイブが振動する・・ (ん?電話?・・ 誰だ?)
表示された電話番号にすばやく全身が反応する!
(か・・ 彼女からだ!)
慌てて席を立ち、車両の連結部に異動しながら電話に出た・・
「も・・ もしもし・・」
「・・・ あっ私です! 覚えておられますか? 今、電話・・大丈夫ですか?」
「もちろん、覚えてるに決まっているだろ♪・・」
「・・・ 良かったぁ♪ なかなか電話が掛けにくくって・・ご無沙汰しています
で、久々に明日会えますね! すっごく楽しみにしています♪」
(おお!・・もう、私が行く事を聞いたのか♪)
「そうだね・・ 私も君に会えるのを楽しみにしてる・・
そうだ! 夜に一杯引っ掛けようか? 君が良ければだが・・」
(ドキドキ・・ 一体・・ 私は何を口走っているんだ!!
変な風に思われたら・・ ダメじゃないか!! )
思わず自分の口から出てしまった下心がある言葉に躊躇する!
(一体、彼女はなんて答えるんだろう・・)
そんな私の心の葛藤などとは関係なく、彼女が即答する・・
「・・・ ええっ・・良いんですか? じゃあ、宴会が終わったら抜け出しますか?♪」
(おお! やはり彼女は思った通りの良い娘だ・・ 良かった♪
で・・ なにぃ? 宴会を予定しているのか? そんな事をしなくても良いのに、
あの課長は律儀だから、まぁ良いか・・)
「そうだな・・ 抜け出すか?」
(ドキドキ・・)
「・・・ ですね♪ 良いお店があったら良いですね♪」
「うん、あの温泉街は前に行った事がある・・ 店はあるぞ♪」
「・・・ じゃあ、お願いしますね・・ 美味しい奴、楽しみにしています♪」
「任せろ! で・・ そっちの状況はどうなんだ?」
「・・・ まぁ・・ 進展しそうでしないと言うか・・ 課長任せですね」
「そうだな・・ あいつはできるからな・・」
「・・・ あっ・・ すみません、もう駅に着くので・・ では、明日♪」
「おう!明日な♪ おやすみ・・」
「・・・ おやすみなさい・・ じゃ切りますね♪」
もっと話したい・・と、逸る気持ちを抑え、電話を切る・・
本当に久々の彼女の声を聞いた・・ 元気そうでよかった!
(というか、今日の出迎えは課長だけか・・ まぁそれは仕方が無いな・・)
少し期待していただけに残念でもあるが、今は耳に残っている
心地よい彼女の声の残響を楽しんでいた・・
明日には声だけでなく、彼女の顔も見ることができるんだ!
連結部のデッキから座席に戻る間に、にやけている顔に気づき
年甲斐もなく、はしゃぐ心を自覚する
少々赤面している自分にも苦笑し、思わず周りを見渡す自分がそこに居た・・
そうこうしている間に、列車が目的地の駅に近づき減速する、
彼女が居る町の明かりが、私を迎えてくれている!
清楚で平凡な田舎町なのだが、大きな期待感から
私の目には別世界のように素晴らしい町並みに、輝いて見えていた・・
「(第12話)不倫温泉・・」に続く・・・
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Copyright ichigowasabi
【第1部】
「(第1話)きっかけ・・」
「(第2話)待ち合わせ・・」
「(第3話)イタメシ屋・・」
「(第4話)ワイン・・」
「(第5話)胸・・」
「(第6話)手・・」
「(第7話)電車・・」
「(第8話)携帯電話・・」
「(第9話)神様のバカ!・・」
【第2部】
「(第10話)存在・・」
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【2度目のご挨拶】
前回の10話「存在・・」を1年ぶりに書いたのに、その後少々色々ありまして(汗;)
また執筆が止まっていました・・(また1年開いちゃいました・・ 全力で反省中・・)
ということで、ぼちぼち再開しますね(^^)ゞ
(書き出す動機に何かあったのか? は、秘密で~す♪)
[小説]ガンダム外伝ともども、よろしくお願いいたします(^O^)/
ichigowasabi
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技術交流会の欠席者に対し、再度明確な欠席理由を上長(課長)に
確認させる指示を出し、数日が経過したが、彼女の部署からの返答は
まだ届いていなかった・・
(仕事が大変なんだろう・・
久しぶりに会いたい気持ちもあるが、業務優先は仕方が無いか・・)
と大人の考えもあるのだが、どこかに子供のように残念に思う気持ちを
消し去る事は出来ていなかった・・
そんなある日・・
技術交流会が週末に予定されている週の水曜日の朝の事だった
私は営業部長に呼ばれ、部長室を訪れていた・・
「部長・・ 朝からなんですか? 急ですね・・」
「おお!待っていたよ・・ 確か君は5年ほど前に大きなプロジェクトを
担当したよな・・」
「ハイ・・
まぁ顧客は片田舎の温泉町の会社でしたが、最近のインターネットの普及で
都市部に居なくても大きな商売ができるようになり・・ あの案件の成功で
業績も大きく伸ばされていると聞いています・・
地方にも優良企業があるって事例の代表格ですね!」
「そうなんだ! その顧客なんだけど、次期プロジェクトの草案が立ち上がっている
その企画段階から我が社に引き合いがあってな・・ つまり君の業績が評価されて
の引き合いだ・・」
「ほう! それは嬉しいお話ですね♪」
「でな、先月から2課に担当をまかせ、対応させているのだが・・
顧客要件が複雑でな、ステークホルダーも多いらしい・・
今、2課の課長自らも参画させているのだが・・ 多忙でな・・
メンバーもホテル住まいで対応中だ、技術交流会も欠席になる・・」
(2課? 彼女の課だ・・ 課長が出張っているって・・
だから交流会欠席の状況報告も遅延しているのか・・)
「そうなんですか・・ 2課は技術交流会の欠席者が多く、また再確認の返答も無く」
「そりゃそうだろ・・ 君には悪いが優先順はプロジェクトだからな・・
今、このメンバーが行っている・・ 課長も貼りつきだ・・」
と名簿を手渡された・・
(2課の課長は彼か?・・ まぁ若いがやり手なので問題はないか・・)
などと考えながら目を落としていくと・・
見慣れた文字列を名簿に見つけた・・ 彼女の名前だ!・・
鼓動が早くなる・・
(そうか・・ だから技術交流会も欠席なのか・・ )
「でな・・ 君を呼んだのは他でもない・・
技術交流会のスタッフ部門の君にお願いするのは辛いのだが・・
今週末に、この顧客を訪問してくれないか?
5年前のプロジェクトマネージャだった部長がな、今は副社長になっていて
今回のプロジェクトの統括責任者でもあるんだ・・
先ほど2課の課長から副社長のスケジュールを入手した・・
技術交流会とダブルブッキングになってしまったが・・ どうだろ?
申し訳ないが、行ってくれないか?」
「は? い・・今、何と・・」
高ぶる声を抑え、たったそれだけしか言えない自分がそこに居た・・
(なんて事だ! これも神様のいたずらなのか♪
だったら、そのいたずらに乗ってやろう!! 神様め!覚悟しろ!!)
「ん? やっぱり都合が悪いか・・ 君の部署が技術交流会の担当部署だからな・・
でも・・ 私の立場も解るだろ? 出来ないだろうか?」
「いや・・ そんな事はありません! 技術交流会の担当は部署全体で担当します
私1人が居なくても、他のメンバーが居ますので大丈夫です。
でも、このプロジェクトのお話は、私しかできません!優先順は明確ですよ!」
「おお!そうか!行ってくれるか!! では、金曜の夕刻にこちらを発ってくれ!
2課の課長が駅まで迎えに来る・・ ホテルで休んで、土曜日の午前から
副社長との会談だ・・ 頼んだぞ!!」
「了解です・・ 昔話に花が咲きそうですが、話題は新しいプロジェクトの話ですね
現時点の問題点などもまとめ、腹を割って話し合ってきます!」
「だな! そうそう! 日曜は用事がなければ現地でゆっくりしてくれ、
技術交流会が開催される立派な温泉街ではないが、
あそこも小さいながら老舗の温泉街だ・・」
「そうですね、お言葉に甘え、世相の垢でも落としてきましょうか♪」
「じゃ・・ 詳細は2課と詰めてくれ!」
「ハイ! 解りました・・」
部長室を後にする・・ なんだか気分が最高だ!
ひょんな事から出張だ・・ それも温泉に泊りがけ・・
いや・・そんな事より、その出張先に彼女が居る♪ これが最大限に重要事項だ!
期待と妄想で、私の思考回路はパンク寸前になっていった・・
・・・
金曜日の夕刻・・ 私は車中の人となっていた・・
技術交流会の前日から1泊・・(いや2泊)の出張だ!
(彼女に会える! でも、会って何を言おうか?)
と、悩んでしまうが、そんな悩みを考える事も楽しい時間になっていた♪
気分が軽くなると、身体も軽く感じる♪(いい感じだ♪)
そんな時、携帯電話のバイブが振動する・・ (ん?電話?・・ 誰だ?)
表示された電話番号にすばやく全身が反応する!
(か・・ 彼女からだ!)
慌てて席を立ち、車両の連結部に異動しながら電話に出た・・
「も・・ もしもし・・」
「・・・ あっ私です! 覚えておられますか? 今、電話・・大丈夫ですか?」
「もちろん、覚えてるに決まっているだろ♪・・」
「・・・ 良かったぁ♪ なかなか電話が掛けにくくって・・ご無沙汰しています
で、久々に明日会えますね! すっごく楽しみにしています♪」
(おお!・・もう、私が行く事を聞いたのか♪)
「そうだね・・ 私も君に会えるのを楽しみにしてる・・
そうだ! 夜に一杯引っ掛けようか? 君が良ければだが・・」
(ドキドキ・・ 一体・・ 私は何を口走っているんだ!!
変な風に思われたら・・ ダメじゃないか!! )
思わず自分の口から出てしまった下心がある言葉に躊躇する!
(一体、彼女はなんて答えるんだろう・・)
そんな私の心の葛藤などとは関係なく、彼女が即答する・・
「・・・ ええっ・・良いんですか? じゃあ、宴会が終わったら抜け出しますか?♪」
(おお! やはり彼女は思った通りの良い娘だ・・ 良かった♪
で・・ なにぃ? 宴会を予定しているのか? そんな事をしなくても良いのに、
あの課長は律儀だから、まぁ良いか・・)
「そうだな・・ 抜け出すか?」
(ドキドキ・・)
「・・・ ですね♪ 良いお店があったら良いですね♪」
「うん、あの温泉街は前に行った事がある・・ 店はあるぞ♪」
「・・・ じゃあ、お願いしますね・・ 美味しい奴、楽しみにしています♪」
「任せろ! で・・ そっちの状況はどうなんだ?」
「・・・ まぁ・・ 進展しそうでしないと言うか・・ 課長任せですね」
「そうだな・・ あいつはできるからな・・」
「・・・ あっ・・ すみません、もう駅に着くので・・ では、明日♪」
「おう!明日な♪ おやすみ・・」
「・・・ おやすみなさい・・ じゃ切りますね♪」
もっと話したい・・と、逸る気持ちを抑え、電話を切る・・
本当に久々の彼女の声を聞いた・・ 元気そうでよかった!
(というか、今日の出迎えは課長だけか・・ まぁそれは仕方が無いな・・)
少し期待していただけに残念でもあるが、今は耳に残っている
心地よい彼女の声の残響を楽しんでいた・・
明日には声だけでなく、彼女の顔も見ることができるんだ!
連結部のデッキから座席に戻る間に、にやけている顔に気づき
年甲斐もなく、はしゃぐ心を自覚する
少々赤面している自分にも苦笑し、思わず周りを見渡す自分がそこに居た・・
そうこうしている間に、列車が目的地の駅に近づき減速する、
彼女が居る町の明かりが、私を迎えてくれている!
清楚で平凡な田舎町なのだが、大きな期待感から
私の目には別世界のように素晴らしい町並みに、輝いて見えていた・・
「(第12話)不倫温泉・・」に続く・・・
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Copyright ichigowasabi