今日は、ヒグマ騒動から1年目の4月20日(土)…昨年より寒い朝です。 今年は、午後から鹿角市猟友会の定期総会があります。
不思議にも2013年は、土曜日に寒波がやって来る年ですね 上空5000mには-36度の寒波が入り込むとの予報です。
熊(月ノ輪)の生息調査へ出掛ける集合時間は8時半ですが、8時過ぎても連絡が入りません!
どうするのか昨日メールで問い合わせたのに、何も連絡が来ないところをみると…また、訳あり仲間が集まっているのでしょう…
4月20日「ヒグマの日」…間もなく、ヒグマ脱走時刻になります。 私もブログを中断して、これから山へ出掛けることにします。
窓から裏山の花輪スキー場を見ると、奥山の皮投岳山頂は雪雲で見えません!熊の生息調査エリアは…皮投岳を越え、もっと奥の「瀬の沢」です。 (旧花輪鉱山跡地)
↓ 花輪スキー場 ↓ 皮投岳 ↓ 吹雪く水晶山
9時前に仲間から連絡が入り、打ち合わせた結果…吹雪の花輪越えを歩いて上るのは厳しそうなので、国道282号線の県境を越え、岩手県の八幡平市田山地区回りで向かうことにしました。
本日の生息調査は3名、うち2人は集合場所の「鹿角あんとらあ」から先に出発し、私は少し遅れて行くことにします。
身支度して出かけようとしたら、突然もの凄い吹雪が襲ってきたので開き直り…猛吹雪が止むまで、一条鳥の世話をし、自分も朝飯を食べてから出掛けました。
国道282号を走り、陽が照った時は写真を撮りながら…岩手と秋田の県境にある「茂谷地沢」を通過して間もなく、秋田県側の「外コウベ沢」の手前で、総会準備のため帰る仲間の一人とすれ違いました。
懇親会の時、すれ違った仲間の話では…私と分かれた後、100m先の道路脇に子連れの熊が現われ、皮投岳方向へ逃げて行ったとのことでした。 小熊は2頭で、今冬生まれた猫ぐらいの大きさだったそうです。
今日の生息調査結果は…「親熊1頭、小熊2頭を目視確認」 と報告されますね!
私は子連れ熊は撃ちません!100kg超級の雄熊しか撃たないことにしています。
《 山奥 (県境の秋田県側)は、5cmの新雪…時折り、猛吹雪でした! 》
《 瀬の沢地内…完全に閉鎖された旧花輪鉱山の坑道跡 》
今年の有害駆除許可証には、銃の指定がされてないため…もしかしたら何年ぶりかで、ライフル銃の貴重な出番があるかも?知れないのですが果たして…
秋田県は、2009年~2012年まで…猟期中は『熊の捕獲を自粛』との行政指導があり、有害駆除でも『散弾銃に限る』という許可ですので、猟野にライフル銃を持ち歩けない状況 が続いているため、猟友会員は弾の消費ができずに困り果てておりました。
《 2013年4月下旬…熊の生息調査、銃は護身用の散弾銃 》
しかも、3年間にわたり使用履歴がない場合…銃検査の時に、訳の分からぬ 『眠り銃 』 呼ばわりされ、銃の所持自体が危うくなります。
そんな一方的な定義でレッテルを貼られ、所持不適格視されるのは不本意なので、私は2009年と2011年に能代のライフル射撃場で、標的射撃をして弾を消費しておりました。
狩猟に関する行政 と 銃に関する行政 は、それぞれバラバラに施策を展開するも、相互の連携による手当や取り計らいをしてくれないのが歯がゆいです!
銃の所持用途には… ①狩猟、②有害鳥獣駆除、③標的射撃 の三つがあり、各銃別にそれぞれの用途が決められており、所持許可証に記載されています。
散弾銃と空気銃については…銃の所持許可申請の際に、用途は自己申告で決めることができます。
しかし…ライフル銃に関してはとても規制が厳しく、用途の目的が何故か?分けて決められているのです。 その理由は、所持のための資格条件が分けられていることが起因するものと思われます。
所持の資格条件は…(1)散弾銃の所持が10年以上、(2)ライフル射撃協会等の推薦、の二つがあります。
詳しくは分かりませんが、猟友会員は(1)の条件をクリアしてライフル銃を所持している方がほとんどです。
私もこの(1)で所持したのですが…所持用途は ①狩猟、②有害鳥獣駆除の二つしかありませんでした。 理由は全く分かりません!
平成12年にライフル銃の所持申請をした時…「標的射撃」も記入したのですが、(1)の条件では「標的射撃」の用途は無いので、記入しないよう言われました。
その言葉を聞いて ビックリ! すでに所持している空気銃でも、用途欄には「標的射撃」があるのに…何が何だかさっぱり理解できず、“ ライフル銃は、ライフル射撃場で標的射撃ができないんですか?” と聞きました。
すると…担当官は『練習射撃はできます!』 と言うので、「標的射撃」と「練習射撃」と何が違うのか問い正したのですが…「練習射撃」は「標的射撃」ではないと言われるので、ますます意味が分からなくなり呆れるばかりの経験でした。
社会通念上の常識が通用しない解釈で区分を定めているらしいので、おそらくは資格条件(1)or(2)を判別する意図があり、無理やり用途欄を利用したのではないかと私は単純に考えております。
(2)で所持資格を得るのは競技選手であり…競技用ライフル銃 を所持する場合のみ用途を③標的射撃とし、①②を適用しないようにすれば…『用途①②③の銃は猟用ライフル銃だ!用途③の銃は競技用ライフル銃だ!』との判別ができて、意図は解決するのではと思うのですが、お役人はどう考えているのやら・・・
今年2月、花輪スキー場で開催された冬季国体では、鹿角勢の活躍によりライバルの北海道を抑え、秋田県が団体優勝するほどスキー競技の盛んな土地です。
鹿角勢はジャンプも強いですが、特にクロカン種目ではオリンピック選手まで輩出しており…10年ほど前、高卒ぐらいの女子選手が『バイアスロン種目』に出場するため、競技用22口径のライフル銃 を所持したことで話題になったことがありました。
その年の銃検査の時…たまたま順番が私の次でしたので、銃ケースから取り出した「競技用22口径ライフル銃」の現物を初めて拝見しましたが、射撃専用銃独特なグリップ・繊細なトリガー、照準はやはり 「ピープサイト」見るからに高額な感じのライフル銃でした。( 値段は40万円とのこと )
熊猟のできない秋田県では、猟友会員のライフル銃が減り続けるのは確実と思います。『猟野で使えないなら射撃場で撃てば、眠り銃にならないで済む!』と、言われても…狩猟をするための『練習射撃』ですから、狩猟ができないのでは『練習射撃』も無意味な訳なんですけどね~
月の輪熊は、北海道を除く全国で…1万6千頭 との生息予測であり、絶滅危惧種 に指定されています。
秋田県では、猟期外の春~秋にかけて…有害駆除用の檻に次々捕えられ、熊捕獲駆除、数百頭の実績 が毎年続いているのです。
ことの発端は、人間のやった【国有林の伐採】と【杉植林】により…生態系を、里山を住み処にした農作物・果物を食糧とする食性に変えられたことで、果樹園や畑などに設置された駆除用檻で次々に捕えられ、即射殺 を繰り返していることが現在の悪循環を作ったわけなのです。
県の発表では…秋田県内の、月の輪熊棲息数は約1000頭とのことです。 そして種の保存のため、秋田県では1000頭を維持していく方針であるとか…
どんな計算で導きだしてる生息数か分かりませんが、何故か毎年、似たような数を発表し猟期が近づくと・・・『有害駆除の捕獲により1000頭を下まわったので、熊猟は自粛だよ!』と言う行政指導を出すので、いつも皆で不思議だなぁ~?と言ってるのでした。
休憩
追記 (2013.5.12)
かくして…今年も、山奥の決まったエリアで行われる、月の輪熊有害駆除(兼 生息調査)も、5月12日無事終えることができました。 4回出動しましたが、私が見たのは沢向かい200メートル先の崖で寝ている中ぐらいの熊1頭だけでした。
北海道では、殖えすぎたエゾシカを撃ちに行くと、鹿肉の業者が解体を手伝ってくれると聞いたことがあります。 肉を食べた猟仲間の話では、エゾシカの肉はまずかったと言ってたので、トロフィーに興味の無い私には向かない気がします。
《 いつの間にか庭のカタクリが咲いて 》
《皮投岳の嶺に浮かぶ月》
男鹿半島や県南地区には、大口径ライフルの狩猟獣である鹿や猪が目撃されているらしいのですが、皮算用であと10年、私が生きてるうちに…猪肉が食べられるかどうか?ですね!