これからの知識社会では、きわめて多くの人間、おそらく過半の人間が、金銭的な安定よりもはるかに重要なこととして、自らの社会的な位置づけと豊かさを求める。
:「経営の真髄 p78」
知識社会はお金や権力の魅力を奪い、人間としての魅力を求めるようになっている。
自分のやりたいことを、みんなと一緒に成し遂げるという組織社会の要素を強くする。
自らの社会的な位置づけと豊かさを求めるというのは居場所を求めるということである。
情報社会ICTがSNSを生み物理的空間を越えて居場所を作ることを可能にした。
ドラッカーは、ネクスト・ソサエティにおいて爆発的NPOの増大に期待した。
リアルな世界において居場所が見つからなければ、SNSやバーチャルに居場所を見つける。
ただ、SNSやバーチャルは本来の居場所ではない。
これは、ICTが発達する前の宗教に似ている。
ネクスト・ソサエティは、経済的な豊かさから居場所の豊かさに向かう。
経済的な豊かさを得てから居場所を得ることが手順的に間違っているわけではない。
豊かな居場所を得ることも簡単ではないが、一般的にシンプルにゴールに向かう方が生産的である。
実のところ、豊かな居場所とは人間力(ジンカンリョク)が機能している場所である。