企業が当然のこととしてきた前提の多くが無効となった。
その結果もたらされた重要な変化が二つある。
その一つが、知識の専門分化、コミュニケーションコストの低下、産業間の交配によってこれまで進行してきた階層化の逆転である。
もう一つが、提携、合併、株式参加、ノウハウ契約による産業の新展開である。
人のマネジメントにおいても、多様な人材をいかに惹きつけるかが問題となる。
彼らをあえてマネジメントする必要はないかもしれない。
しかし生産的な存在にしなければならない。
そのためには、彼らの知識が最大の貢献を果たしうるところに彼らを配置しなければならない。
そして満足させなければならない。
:「経営の真髄 p111」
「第6章企業モデルが多様化する」のまとめの文章だがよくわからない。
産業の新展開はなんとなく理解できるが、階層化の逆転とはどういうことか?
階層化の逆転とは、社会的地位と実力のことと考えると面白い。
知識の専門分化、コミュニケーションコストの低下、産業間の交配によって社会的地位が高くなくても実力のある者が出てきた。
いままではそれなりの実力をつけて社会的地位を上げ忖度をしながら地位を守っていたが、上記の3つの理由により実力をつける努力を怠って忖度だけに力を注いていては下層の者に実力的に追い抜かれてしまい、実力において地位の逆転が進行していると考えておこう。
彼らをマネジメントする必要はないかもしれない。しかし生産的な存在にしなければならない。
というのは、マネジメントを管理というような言葉で使っているので違和感を覚える。
後の文章で、彼らの知識が最大の貢献を果たしうるところに彼らを配置しなければならないとあるように、位置づけと役割を明確にすることがマネジメントを機能させる要素なので、マネジメントを機能させるために必要なことはやらなければならない。
自らマネジメントを機能させるために、人を適切に配置する必要がある。
多様な人材を引き付けるためにも、マネジメントを機能させる必要がある。
マネジメントを機能させるには、働く者を満足させる必要がある。