人事は大きな賭けである。
しかし、それぞれの強みに焦点を合わせることによって、合理的な賭けにすることはできる。
優れた人事は人の強みを生かす。
できることを中心に据えて、異動を行ない昇進させる。
人事において重要なことは、人の弱みを最小限に抑えることではなく、人の強みを最大限に発揮させることである。
大きな強みをもつ者は、ほとんど常に大きな弱みをもつ。
山あるところには谷がある。
申し分のない人間などありえない。
そもそも、何について申し分がないかが問題である。
無難にこなす能力ではなく、一つの分野で抜きん出た能力を探さなければならない。
人が抜きん出ることのできるものは一つか、せいぜい二つか三つの分野である。
よくできるはずのことを見つけ、実際にそれを行わなければならない。
弱みそれ自体が大きな意味をもつ領域は一つしかない。
真摯さの欠如である。
真摯さそれ自体だけでは何ものももたらさない。
しかし、それがなければ他のあらゆるものが台無しとなる。
真摯さの欠如だけは、あってはならない絶対の基準である。
:「経営者の条件」
とはいえ、真摯さとは何か、どうすれば身に着くかについて議論になることが多い。
結論は、integrityになってしまうのだが、今のところ知行合一じゃないかと思う。