19世紀には、金銭にかかわる最大の関心事は、早死にしたときに家族を守る生命保険だった。
平均寿命が倍近く延びた今日では、金銭にかかわる最大の関心事は、長生きしすぎたときに自分と家族を守ってくれる仕組みである。
生命保険は、実際には死亡保険だった。
これに対し、今日の年金は老齢保険である。
年金制度は、労働年齢を超えて長生きすることが当たり前な社会では、不可欠のシステムである。
したがって、これからは年金基金の保護が、政策や法律を策定する者にとって最大の課題とならなければならない。
しかしこの問題は、いくつかの不祥事を経験した後において、ようやく解決にいたるという筋道をとる恐れが大きい。
:「ポスト資本主義社会」より
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