この二つを意識してバランスさせなければならない。
短期の業績の過度の重視は、機関投資家としての年金基金の利益を害する。
株主主権の考えを成立させた企業の経済的側面の重視が、同時に社会的側面の重要性を際立たせつつある。
1960年から70年にかけて登場し、株主主権の考えを生み出した新種の株主は、旧来の意味での資本家ではなかった。
年金を通じ、企業を所有するにいたった年金加入者だった。
すでにアメリカでは、年金基金と投資信託が大企業の発行済み株式の過半を保有している。
株主主権は短期の見返りを要求した。
しかし、年金の給付を確実なものにするには投資の将来価値を増大させなければならない。
したがって、短期の業績とともに、年金の支払い者としての長期の繁栄を考えなければならない。
この二つは両立する。
ただし、それぞれ別ものであって、意識してバランスさせなければならない。
:「ネクスト・ソサエティ」より
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