1970年代初頭はまさにロック黄金時代だった!
1970年代に入ると、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルなどのハード・ロック・バンドの台頭とともに、芸術性を追及したプログレッシブ・ロックなるバンドが数多く現れて来ました。シングル・ヒットよりアルバム指向がより鮮明になり、LP盤の1面に15,6分の曲が1曲のみなんてのもありました。
特に71年~73年は、ハード・ロックも含め、後に『ロックの名盤』といわれるようなアルバムが集中的にリリースされ、当時はさほど感じませんでしたが、今から思うと、まさに“ロックの黄金時代”だったような気がします。
ビートルズに夢中になりつつも、一方で第2のビートルズを探そうとポップ・グループを血眼になって聴きあさり、もう一方ではハード・ロックも聴き、はたまたもう一方でプログレを聴くといった、摂生のない雑食のカラスのようでした。
普通は、ここいらで、自分の音楽嗜好が固まり、そちらの方向へ、ググっと接近する人が大多数なんでしょうけどねえ~どうしてなんでしょうかね?(笑)
今日ご紹介する曲は、その時期に名盤を連発させ、後に大掛りなコンサートを繰り広げ、今なお、プログレ・バンドの代名詞的な大御所バンドとして君臨するピンク・フロイドの「吹けよ風、呼べよ嵐 One Of These Days」です。
プロレス・ファンなら誰でも知っていた!
この曲、“アブドーラ・ザ・ブッチャーの入場曲”として有名で、タイトルを聴いてピ~ンと来ない人や洋楽を聴かない人でも、プロレス・ファンなら誰でも皆、知っていた曲!
それにしてもこのアブドーラ・ザ・ブッチャー、悪役でありながら、どこか憎めないところがありました。
とは云うものの、しばらくぶりにプロレス中継を見た時、会場から湧き起こっていた“ブッチャー・コール”には驚いた覚えがあります。
悪役でありながら日本で人気を得た最初の人だったのではないでしょうか?
さてこの「吹けよ風、呼べよ嵐」、1971年10月30日にリリースされたアルバム『おせっかい Meddle』のオープニングに収録されているインストゥルメンタルの楽曲、風の音とボワ~~~~ンと鳴り響く不気味なベース音がより緊張感を生み出します。
そして叫び声が途中に入るわけです・・・
いつの日か、お前を細切れにしてやる!
One Of These Days - Pink Floyd
ジャケットはヒプノシス
因みに、この曲が収録されているアルバム『おせっかい』のジャケット・デザインは、英国のデザイン集団“ヒプノシス”の作品なんですが、その出来栄えについては、描いた当の本人もピンク・フロイドも気に入らなかったとの事。
インパクトは強かったですね。
ブッチャーがテリー・ファンクにフォークで攻撃して血まみれに
なったりするシーンがあったりで、今の世の中では放送しずらいだろうなと。
そして毎回書くのですが、「吹けよ風呼べよ嵐」の日本語タイトルは秀逸だなと。
曲のイメージにピッタリです。
ピンクフロイドの邦題には面白いエピソードがあります。
その辺りを今後のプログで紹介する予定です。
ブッチャーは悪役ではあるけれど、どこか憎めない愛嬌があり、人気があったのは頷けます。