それはアートだった!
アナログ時代のレコード・ジャケットは、今日のCDより、ずっと凝ったものが多かったように思います・・・
LPがCDに取って代られて、一番、残念なことは、ジャケット・デザインの楽しみというものが無くなったことです。
当然、ジャケットの大きさが5倍近く違うわけですから、同じデザインのものを比べても、受けるインパクトが違って来ます。
1970年代の初め頃、アルバム志向が強い、プログレッシブ・ロックのジャンルに属するグループが、続々と名作アルバムを生み出して行きましたが、アルバム・ジャケットのデザインも、その音楽同様に芸術的なものが多かったような気がします。
今日ご紹介するのは、ジャケット・デザインがとてもインパクトがあったアルバムの中から1曲・・・
今日は、エマーソン、レイク&パーマーの“美しくも、3人が重なるように描かれている不気味さも秘めたイラスト”のジャケットのアルバム『Trilogy』からの1曲です。
1971年に『展覧会の絵』が日本でも大ヒットしたエマーソン、レイク&パーマー、翌年の初来日と新作『Trilogy』のリリースが絶好のタイミングで重なります。
Trilogy=三部作
こんな意味を持っております!
アルバムの中に9曲・・・3部作??
よく分かりません(笑)
“3つの個性が調和して、素晴らしい芸術を生み出す”
そんなことで『Trilogy』と名づけられたのかな?
ジャケットからは“三位一体”というイメージが伝わって来ますね!
イギリスのデザイン・グループ“ヒプノシス”によるジャケットが美しい~こういったアートなデザインのアルバム・ジャケットを見るにつけ、CDはその名の通りコンパクトで使い勝手がいい反面、その芸術性を伝えるにマイナス面が顕著に表れるものだと実感させられます。
今日ご紹介するのは、前年に日本で大ヒットした「ナットロッカー」とは趣が違う、抒情的な美しいアコースティック・ナンバー「フロム・ザ・ビギニング」です。
チャランっと最初の生ギターの音を聴いた瞬間、イエスの「ラウンドアバウト」が始まるのかと一瞬思いました(笑)
イエスの方は、劇的に展開が変わるんですが、この「フロム・ザ・ビギニング」は、最後まで、抒情的な美しさは損なわれることなく続きます。
途中、控え目に加わるキース・エマーソンのシンセサイザーが非常に効果的ですね。
この曲、1度聴いただけでは、その良さは分かりにくいかもしれませんが・・・名曲です!
From the Beginning - Emerson, Lake & Palmer
フロム・ザ・ビギニング / ELP
見過ごして来たものも
いくつかあったかもしれない
でもそんな僕に辛く当たらないで
見えてないわけじゃないのだから
一つや二つ 知ってることもある
たとえばベッドに横たわること
そんなこと言わなければよかっただろうか
まあ 仕方がないね
だって はっきりしてるじゃないか
君はここにいるべきなんだ
初めから
僕が変わったのかもしれない
残酷な仕打ち 愚行
もう僕には考えられない
過去の行ないは拭い去れないけど
どうせ思い出せないのなら
かまわないじゃないか
お前はここにいるべきなんだ
初めから
「恐怖の頭脳改革」のギーガーのジャケは恐さ倍増ですが…。
ELPとの出会いは、「ビートクラブ」の映像ですね。
キーボードやオルガン使ってやんちゃしているキースの姿は、
音を聴いていただけではわかりませんね。
その後に「展覧会の絵」や「タルカス」を聴いてショックを受けることになりますが。
「トリロジー」は聴く機会に恵まれていなかったので、じっくり聴いてみようかなと。
それまでロックバンドにおけるキーボード奏者の存在感は、どちらかといえば地味なポジションでしたが、このキース・エマーソンとYESのリック・ウェイクマンがその地位をグッと上げたと思います。