“音楽が死んだ日” ~ 最終章
1959年2月の寒い朝、ニューヨーク州ニューロシーロで新聞配達をしていた13歳の少年は、彼の配る新聞の見出しで、“3人のロック・スターの悲劇”を知ることになりました。
その“新聞少年”というのが、今日ご紹介するアーティストのドン・マクリーンであり、“3人のロック・スターの悲劇”というのが、1959年2月3日未明に飛行機墜落事故で亡くなったバディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパーという3人でした・・・
今日は“音楽が死んだ日”という言葉が生まれた背景をお話しさせて頂きます❣️
【 Single Data 】
リリース:1971年11月
チャート:Billboard 1位、英国2位
世間の常識を超えた?
ラジオのオンエアの関係で、シングル盤の長さが3分少々、これが常識だった時代、それを覆したのが、ビートルズのアップル・レコードからの第1弾シングル「ヘイ・ジュード」(7分11秒)でした。
しかし、今日ご紹介する1972年のヒット曲、ドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」はあまりに長かった❗️
その長さ、なんと8分32秒‼️
リリース:1971年11月
チャート:Billboard 1位、英国2位
世間の常識を超えた?
ラジオのオンエアの関係で、シングル盤の長さが3分少々、これが常識だった時代、それを覆したのが、ビートルズのアップル・レコードからの第1弾シングル「ヘイ・ジュード」(7分11秒)でした。
しかし、今日ご紹介する1972年のヒット曲、ドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」はあまりに長かった❗️
その長さ、なんと8分32秒‼️
そのため、曲を2分割、A面とB面に分断してリリースされました。
長いのは長いなりの理由があったのだ!
少年時代、自分のアイドルであったバディ・ホリーの悲劇的な死を回想するところから始まるこの曲、単にアイドルの死という事実だけでなく、それを前後に始まって行った当時のロックンロールの衰退を示唆する内容のもの、それだけに長くなったのも頷けます。
激震のロックンロール界!
1957年 リトル・リチャードが引退
1958年 エルヴィス・プレスリーの兵役での軍隊への入隊
1958年 ジェリー・リー・ルイスが13歳の従兄妹との結婚
1959年 バディ・ホリーら、3人のロックンロール・スターの墜落死
1959年 チャック・ベリーの少女売春への関与
1960年 エディ・コクランの交通事故死
元々、ロックンロールは黒人が作り上げた音楽であり、その大御所ともいえるチャック・ベリーやジェリー・リー・ルイスのスキャンダルは、人種差別が色濃く残っていた当時のアメリカ社会では反発を生んだでしょうね。
それに加えて、白人ロックンローラーの大スター、エルヴィス・プレスリーの入隊による音楽活動の中断、極めつけが、エルヴィスに次ぐ大スター、バディ・ホリーの墜落死が“ロックンロール衰退”を印象付けるのに火に油を注ぐ結果になったのは明白です。
ドン・マクリーンが、“音楽が死んだ日”と、この曲の中で歌っている気持ちがよく理解出来ますね!
この後、アメリカの音楽界は当たり障りのない美丈夫なポップ・スターの全盛期を迎え、若者にとっては、刺激のない退屈な日々・・・
これといってインパクトのない、スター不在の日々が続きます~
1964年、英国から、彼らがやって来るあの時までは!
【 Album Data 】
リリース:1971年10月24日
チャート:Billboard 1位
『音楽が死んだ日』という言葉が誕生
この「アメリカン・パイ」、この飛行機墜落事故によるバディ・ホリー達の死を「ザットル・ビー・ザ・デイ」の歌詞を引用するなどして、巧みに歌っている事に留まらず、その後、60年代に頭角を表すビートルズやローリング・ストーンズの事も散文詞的な表現で歌い上げております。
まさにロックンロールの衰退と再生を一曲にまとめ上げた大作といえる曲・・・
この曲により、ロック・スターの飛行機墜落事故死が『音楽が死んだ日』と呼ばれるようになりました!
まさに、“時代と時代を結ぶ架け橋”のような曲といえるでしょう!
アメリカン・パイ / ドン・マクリーン
ずっとずっと昔だけど
今でも憶えてる
音楽が僕にどんなにか笑顔をくれたかってこと
そうさ もし僕にチャンスがあったなら
みんなに踊ってもらえるようにさ
きっと それでみんなもちょっぴり幸せ
でも あの二月が僕を震えさせた
僕が配達してる新聞で
玄関前の踏み段に最悪のニュース
もう足が前に出なかった
未亡人になった花嫁の記事を読み
自分が泣いたかどうかも憶えてないけど
何かが僕の心の奥深くを抉った
あの日 音楽が死んだ
*バイバイ、ミス・アメリカン・パイ
シボレーを堤防まで走らせたけど
堤防はすっかり干上がって
そこでは陽気な南部男が飲んだくれて歌う
今日が俺の死ぬ日だろう
今日が俺の死ぬ日だろう
愛の本を書いたのは君かい
崇高なる神を信じてるの
聖書が尋ねたなら
今度はロックンロールを信じるの
死すべき魂を音楽が救えるの
そしてスローなダンスを教えてくれるのかい
まあ あいつに夢中なんだろう
体育館で踊ってる君を見たよ
二人とも靴を脱いでたね
まったく リズム&ブルースにはやられるよ
孤独な十代でかなり荒れてた僕
ピンク・カーネーションにピックアップ・トラック
でも運が尽きたのはわかったよ
音楽が死んだあの日に
僕は歌った
* 繰り返し
この十年 僕らはなんとかやってきた
転がる石でも苔だらけ
でも前とはすっかり違ってしまった
ジェームス・ディーンから借りた上着を着て
道化師が王と女王のために歌ったとき
僕らの声はひとつに
そして、王がうつむいた隙に
道化師が王冠を盗んだのに
法廷は解散
評決も下されず
レーニンがマルクスの本を読む間に
カルテットは公園で練習を積み
暗闇で僕らは葬送歌を歌う
音楽が死んだあの日に
僕らは歌った
* 繰り返し
うだるような夏の日のヘルター・スケルター
鳥達が核シェルターごと飛び立ち
高度八マイルから真っ逆さま
落ちたのは芝の上でもファウル
選手達は前にパスしようとしたけど
ギプスをつけた道化師がサイドラインに
さあハーフタイム 甘い香りが立ちこめる
軍曹達がマーチを演奏し
僕らは踊ろうと立ってはみたものの
全然踊れやしない
選手達がフィールドを占拠しようとしたから
バンドは一歩も譲らなかった
何が白日にさらされたか憶えてるかい
音楽が死んだあの日に
僕らは歌った
* 繰り返し
それから 僕らはひとつ所に集った
まさに さまよえる世代
やり直す時間さえない
さあ 素早くジャック 急ぐよジャック
ジャックは蝋燭立てに座ってた
火が悪魔の唯一の友達だろうから
それであいつのステージを観てると
僕の拳に怒りが込められていった
地獄生まれの天使には
魔王の呪いを解けやしない
夜空に炎が立ち昇り
生贄の儀式を照らし出す
それで悪魔が歓喜に高笑いするのを見たんだ
音楽が死んだあの日に
あいつも歌った
* 繰り返し
ブルースを歌う娘に会った
なにかいい話はないかと聞いたけど
あの娘はただ笑っていってしまった
僕は専門店に行ってみた
前は確かに音楽が聴けたのに
音楽はもうかけられないという
道端で子供達は叫び
恋人達は泣き 詩人は夢うつつ
でも一言も語られぬまま
教会の鐘はすべて壊れ
そして僕が崇拝する三人
父と子と聖霊も
海岸行きの最終列車に乗り込んだ
音楽が死んだあの日に
みんな歌った
* 繰り返し
みんな歌った
* 繰り返し
ずっとずっと昔だけど
今でも憶えてる
音楽が僕にどんなにか笑顔をくれたかってこと
そうさ もし僕にチャンスがあったなら
みんなに踊ってもらえるようにさ
きっと それでみんなもちょっぴり幸せ
でも あの二月が僕を震えさせた
僕が配達してる新聞で
玄関前の踏み段に最悪のニュース
もう足が前に出なかった
未亡人になった花嫁の記事を読み
自分が泣いたかどうかも憶えてないけど
何かが僕の心の奥深くを抉った
あの日 音楽が死んだ
*バイバイ、ミス・アメリカン・パイ
シボレーを堤防まで走らせたけど
堤防はすっかり干上がって
そこでは陽気な南部男が飲んだくれて歌う
今日が俺の死ぬ日だろう
今日が俺の死ぬ日だろう
愛の本を書いたのは君かい
崇高なる神を信じてるの
聖書が尋ねたなら
今度はロックンロールを信じるの
死すべき魂を音楽が救えるの
そしてスローなダンスを教えてくれるのかい
まあ あいつに夢中なんだろう
体育館で踊ってる君を見たよ
二人とも靴を脱いでたね
まったく リズム&ブルースにはやられるよ
孤独な十代でかなり荒れてた僕
ピンク・カーネーションにピックアップ・トラック
でも運が尽きたのはわかったよ
音楽が死んだあの日に
僕は歌った
* 繰り返し
この十年 僕らはなんとかやってきた
転がる石でも苔だらけ
でも前とはすっかり違ってしまった
ジェームス・ディーンから借りた上着を着て
道化師が王と女王のために歌ったとき
僕らの声はひとつに
そして、王がうつむいた隙に
道化師が王冠を盗んだのに
法廷は解散
評決も下されず
レーニンがマルクスの本を読む間に
カルテットは公園で練習を積み
暗闇で僕らは葬送歌を歌う
音楽が死んだあの日に
僕らは歌った
* 繰り返し
うだるような夏の日のヘルター・スケルター
鳥達が核シェルターごと飛び立ち
高度八マイルから真っ逆さま
落ちたのは芝の上でもファウル
選手達は前にパスしようとしたけど
ギプスをつけた道化師がサイドラインに
さあハーフタイム 甘い香りが立ちこめる
軍曹達がマーチを演奏し
僕らは踊ろうと立ってはみたものの
全然踊れやしない
選手達がフィールドを占拠しようとしたから
バンドは一歩も譲らなかった
何が白日にさらされたか憶えてるかい
音楽が死んだあの日に
僕らは歌った
* 繰り返し
それから 僕らはひとつ所に集った
まさに さまよえる世代
やり直す時間さえない
さあ 素早くジャック 急ぐよジャック
ジャックは蝋燭立てに座ってた
火が悪魔の唯一の友達だろうから
それであいつのステージを観てると
僕の拳に怒りが込められていった
地獄生まれの天使には
魔王の呪いを解けやしない
夜空に炎が立ち昇り
生贄の儀式を照らし出す
それで悪魔が歓喜に高笑いするのを見たんだ
音楽が死んだあの日に
あいつも歌った
* 繰り返し
ブルースを歌う娘に会った
なにかいい話はないかと聞いたけど
あの娘はただ笑っていってしまった
僕は専門店に行ってみた
前は確かに音楽が聴けたのに
音楽はもうかけられないという
道端で子供達は叫び
恋人達は泣き 詩人は夢うつつ
でも一言も語られぬまま
教会の鐘はすべて壊れ
そして僕が崇拝する三人
父と子と聖霊も
海岸行きの最終列車に乗り込んだ
音楽が死んだあの日に
みんな歌った
* 繰り返し
みんな歌った
* 繰り返し
こんばんは🌇
この曲がヒットしたのはリアルタイムでした。
当時はこの曲が何を歌っているのかは知らず、シングル盤のAB面に分けてリリースするなんて勿体無いなあと単純に思いましたが、分けてでも何が何でも最後まで収めなければならなかったの理由が後になってわかりました。
マドンナがショート・ヴァージョンを歌詞を変えてカバーヒットさせましたが、機会があったらアップしようと思ってます。
初めて聴いた時は歌詞がわからなかったので、
曲の内容までは知りませんでしたが。
「音楽が死んだ日」に関しては、2月3日に集英社オンラインに記事が出ていましたが、
事故から13年後の2月3日に「アメリカンパイ」が全米1位になるとは、
偶然にしては出来過ぎな話ですね。