ロックンローラーの復活
今日ご紹介する「スターティング・オーヴァー」がジョン・レノンの新譜としてラジオから流れて来た時、ファンは皆、歓喜しましたね。 タイトルも「これから再出発する」というイメージにピッタリでしたし、何よりも嬉しかったのが、ジョンの原点でもある“ロックンロール”が鮮明に反映された曲調だったからです。 5年前のロックンロールのカバー・アルバム『Rock 'n' Roll』に収録されても全く違和感なく収まるような気がしました。 ヴォーカルもエコーが程よくかかり絶好調を感じさせ、ロックンローラー、ジョン・レノンの復活を印象付けられました。
タイトル変更
“Starting Over”のままだと、同名の曲が多いこともあり、それまでのタイトルの頭に(Just Like)を付けたものに変更します。 しかし、“Just Like”を付けた事によって、結果として、それは大きな意味を持つようになったそうです。
それまでは単なる“再出発”であったものが、“これまでも一緒に頑張って来たけど、また一緒に進もう”という昇華した内容になるとの事・・・
何にせよ、5年間の沈黙を破り、しかも、ファンが待ちに待ったロックンローラーとしてのジョン・レノンが戻って来たのです。 勿論、「Imagine」は名曲である事は間違いありません。 しかし、ファンは政治活動家や聖人君子のジョン・レノンを望んでいたわけではなく、ロックンローラーのジョン・レノンを待ち望んでいました。
そういった意味では、ビートルズ解散後、10年目にして初めての望んでいたスタイルの新曲がこの「(Just Like)Starting Over」でした。
(Just Like)Starting Over - John Lennon
希望に満ちた内容だっただけに・・・
僕らが共にする人生はかけがいのないものだ
僕らは成長した、成長して大人になった
僕らの愛は今でも特別なものだけど
新たな一歩を踏み出そうよ、僕らだけでどこかへ飛び立とう
すごく前向きに「再出発するぞ!」という決意に満ちた詞ですね。
この時はこれが生前最後のシングルになるなんて思いもしませんでした。
もしかすると、ジョンが主夫のままだったら、あんな悲劇は起こらなかったかも知れません。 再出発の歌が悲劇の引き金になってしまったかも知れないと思うと何ともやるせ無い気持ちで一杯になります。
ファンの気持ちは、ジョン・レノンの快進撃を信じて疑わない、期待値がマックス状態になっていて、あの悲劇がやって来るなんて思いもしませんでした。
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