ソロ・デビューで、いきなりのセルフカヴァー!
ジョージ・ハリスンのソロ第1弾「My Sweet Lord」は、“実はセルフカヴァーである”~これって、意外と知られているよう知られてないんですよね!
元々はビートルズの「Get Back」のエレキピアノでお馴染みのビリー・プレストンに提供されたもので、ジョージの『All Things Must Pass』より一足早い1970年9月11日にリリースしたアルバム『Encouraging Words』の4曲目に収録されております。
レノンとマッカートニーへの不満!
“全くビートルズなんて眼中にない”と言わんばかりに、自由気ままに創作活動をするジョン・レノン、“ビートルズ解散原因の張本人”というレッテルと相まって、解散時に発表された『McCartney』が期待したものと違って、不満の矛先になったポール・マッカートニー・・・気の毒な事にポールには、ソロとして必ずビートルズ・サウンドの再現をしてくれるだろうというファンの期待感の大きさが、そのまま大きな不満となって降り掛かったようです。
1970、71年頃のポールに対しての風当たりの強さは、皆さんが想像つかないくらい凄いものがありました。
ジョージが爆発的ソロ発進!
そんな二人への不満が渦巻く中、一歩先んじたのが、このジョージ・ハリスンでした。
ビートルズ時代、“ジョージの曲はアルバム1枚につき2曲”という“暗黙の掟”のようなものがあったようです。
その呪縛から解き放たれた彼が、溜まりに溜まったストレスを発散させるかの如くリリースしたのが驚きの3枚組の『All Things Must Pass』、そして先行シングルとして1970年11月23日にリリースされた曲が「My Sweet Lord」でした。
My Sweet Lord - George Harrison
FAB4のソロとして、
全米全英共で初の1位となる大ヒットを記録!
エドウィン・ホーキンス・シンガーズの歌う「Oh Happy Day」にインスパイアされている関係で、同じメロディを繰り返し歌い、バックコーラスが大きく印象に残るものとなっています。
ジョージのソロの後に♪Oh Happy Day~~~♪と追いかけコーラスを付けても、それ程、違和感なく歌えるから笑えて来ます。
1970年11月23日にリリースされた「My Sweet Lord」は、ビートルズのソロとして、全米全英共に初の1位を記録し、日本においてもオリコン週間シングルチャートで4位となるヒットとなりました。
ところが・・・とんでもないことが・・・
盗作問題勃発
それは1971年3月6日のビルボード誌の“1963年のNo.1ヒット曲シフォンズの「He's So Fine」によく似ている”という記事が発端でした。
その疑惑に拍車をかけたのが、女性カントリー歌手が「He's So Fine」を「My Sweet Lord」そっくりのアレンジでリリースしたことでした。
それにしても、「盗作問題」で騒がれてるこの曲のアレンジで、「He's So Fine」を意図的にリリースしたジョディ・ミラーという女性カントリー歌手の底意地の悪さを感じますねえ!
その結果、2つの曲が非常によく似ていることが白日の下にさらされる結果に・・・
ジョージを庇うわけではありませんが、意図的に盗作したのであれば、いくら昔の曲とはいえ、“わざわざNo.1ヒットを盗むか?”という疑問です。
誰とはいいませんが、ある日本の有名ミュージシャンの曲が、外国のあまり有名でない一昔前のミュージシャンの曲をソックリいただいているといったことをラジオで聴いたことがあります~実際にソックリでした!
それもシングルカットされてないアルバムの中の1曲、こうなると意図的と疑われてもしかたないですよね・・・
ジョージは5年後の1976年1月に訴訟され、裁判で彼自身が「潜在意識の内における盗用」と認めたことで、損害賠償を支払うことになります。
この事は、後年、ジョージがインタビューで「何もかも面倒になってしまったから、あのように言ってしまった」というような内容で応えているのを読んだ記憶があります。
実際、ポールでさえ、「Yesterday」を書き上げた時、周りに「この曲以前に聴いたことあるかい?」と聞いてまわったというエピソードがあります。
悪意などなく“全く無意識の内に曲にしてしまった”というのが真相でしょう!
何と言ってもジョージは“あの名曲「Something」を書き上げた大作曲家”なんですよ!
間違いなく同世代ですね。
僕はハード系やサイケデリック系も聴きますが、ソフトな感じの曲だったら、多分、知らない曲でも気に入っていただけると思いますよ。