♪ メシアが再び / ロイ・ブキャナン：1972年作

自分の能力を認めて貰える！
これ程、喜ばしいことはないようだが、、、
彼にとって、物質的に恵まれることより、好きな事をのんびりと出来る環境が一番幸せだったに違いない！

人間にとっての幸せとは、一体なんだろうか？

"Dedicated to Roy Buchanan"

ローリング・ストーンズからオファーされたり、TVで“世界最高の無名ギタリスト”と紹介されたり、ジェフ・ベックが大ヒットアルバム『Blow By Blow』において、“ロイ・ブキャナンに捧ぐ”とアルバムに明記したりと、彼が望むと望まざるに係わらず、一気に世界的に注目されるギタリストになってしまったロイ・ブキャナン。

とうとう表舞台に曝されてしまいながらも、彼のマイ・ペースぶりは相変わらず、多くの一流ギタリスト達に注目、賞賛されながら、“何が何でも売ってやろう”とするような力みなど感じられない秀作をリリースします。

その後、70年代後半、薬物などに手を出し、一旦、人気が低迷した時期もありましたが、80年代半ば見事に復帰！

しかし・・・

さあこれからという時期に、泥酔運転していたロイ・ブキャナンを保護する目的で留置した、その留置所内で首吊りにより永眠、、、

ギターが咽び泣いている・・・

The Messiah Will Come Again - Roy Buchanan

田舎で家族との時間を大切にし、大好きなテレキャスターを抱え、のんびりと小さなクラブでプレイする・・・
恐らく彼は、こんな生活を一番望んだに違いありません。
しかし、ミスター・テレキャスターとまで言われた彼の実力が、結果として仇となってしまったようですね！

今日ご紹介する曲は、ロイ・ブキャナンのデビュー・アルバムに収録され、後に再録音もされた彼の代表というより、70年代最高のギター・バラードのひとつ「メシアが再び The Messiah Come Again」です。

オルガンをバックに情感を込めたギター・・・イントロに続いて、語りが始まる。
それが終わるといきなりドラマチックなギターが鳴り響く・・・
「見事な曲」と云う言葉しか見つかりません！

The Messiah Will Come Again - Roy Buchanan

メシアが再び / ロイ・ブキャナン
そこにある町があった
誰も知らない小さな町だった
人々はその町を世界とよんだ
ある日、一人のよそ者が現れるまでは
寂しい、寂しい小さな町だった
その男の来訪に町の人々は喜んだ
そしてこの悲しい小さな町は再び幸せになった
しかし人々の心には何か疑惑があったのだ
人々はその男を信用しなくなった
だからその男を馬鹿にした
やがてそのよそ者はその町を逃げ出したのだ
そしてその小さな町はもとの悲しい町に戻った
今日は昨日よりもっと悲しくなった
私は訪れるべきでないたくさんの場所を歩いた
でも私にはわかっている、メシアが
メシアが再びやって来るってってことを