Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ アメリカ / サイモンとガーファンクル:1968年

2024年01月19日 08時00分00秒 | 1960年代の洋楽
 【 Album Data 】
リリース:1968年4月3日
チャート:Billboard 1位、英国1位

洋楽のアーティストで最初に好きになったのが“サイモンとガーファンクル”でした。

彼らとの初めての出会いは、小学生の頃、年の離れた兄が買ってきたシングル盤「Sound Of Silence c/w Mrs.Robinson」でした。

僕の中にとって、ビートルズと共に特別な存在のサイモンとガーファンクル
そのメロディ、ハーモニーは勿論の事、ポール・サイモンの書き下ろす深みにある詞が何とも素晴らしい!

時代の節目、、、そして、、、終焉
このデュエットの解散は、僕が洋楽を本格的に聴き始めた1970年のことでした。
この年は年代の変わり目と云うだけでなく、60年代を駆け抜け、後の世に向けても大きな足跡を残した“バンドの雄”“フォーク・デュオの雄”が共に解散するという、まさに音楽史の節目でもあります。

今日は、サイモンとガーファンクルが1968年にリリースしたアルバム『Bookends』に収録されている曲をご紹介させて頂きます。
このアルバムがリリースされたのは、ビートルズ『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』を発表した翌年の1968年のこと。
その影響か、アナログLPのA面にあたる部分がアルバム・タイトルの2曲に挟まれる形の組曲になっており、アメリカの現実をテーマとした内容の曲が並んでいます。


【 Single Data 】
リリース:1971年8月21日(日本)
チャート:オリコン15位


未来が見えない!
今日ご紹介する「America」は、その中に組み込まれた中の1曲で、バスの旅に出た恋人の心の移ろいを通して、ベトナム戦争など、多くの問題を抱え、出口の見えない暗闇に入り込んだ感のあるアメリカ社会の実情を焙り出しています。

希望に満ちていた恋人の二人だったが・・・
しかし、バスの旅が進むにつれ、「明日が見えない、虚しいんだ」と寝息を立てている恋人キャッシーにそっと呟く男・・・

未来が見えず、終焉が来るのを感じさせる恋を、確たる方向性が定まらないアメリカ社会の問題に重ねているようです。

因みにここに登場するキャッシーという女性は実在の人物で、ポールがイギリスに長期滞在していた際に交際していたガールフレンドで、ポールが歌っていたパブでチケットのもぎ係りをしていました。

 映画の挿入歌として・・・
この曲は2000年に公開された映画『あの頃ペニー・レインと』で、挿入歌として効果的に使われました。
何でも自分の理想にはめ込もうとする大学教授の母親に反発して、「スチュワーデスになる」と言って、家を出て行く主人公の少年の姉・・・
その旅立ちの場面のバックに流れて来たのが、このS&Gの「Ameica」でした。

旅立ちの直前、姉は弟を抱きしめてこう言うのでした・・・
「いつか目覚めるわ。ベッドの下で“自由”を見つけて」


この曲は、デュオ解消の後も続いた『明日に架ける橋』からのシングル・カットされヒットした「コンドルは飛んでいく」「バイバイ・ラヴ」に続いて、1971年の春にリリースされました。
「あれ?解散したんじゃ・・・???」と驚いたことを思い出します。
しばらくして、昔のアルバムからのシングル・カットということが判りましたがね・・・(*^▽^*)

その当時は、ビートルズ『ホワイト・アルバム』の様なジャケットの日本編集のベスト盤『明日に架ける橋』しか持っていませんでした。
どうゆうわけかこの名曲がベストから抜け落ちていたんですよね!


アメリカ / サイモンとガーファンクル
「俺たち、付き合わないか?二人で未来を築いて行こうよ
ちょっとした蓄えならここにあるんだ!」

それで俺らは、1箱のタバコとミセス・ワーグナーのパイを買って
AMERICAを探しに歩き出した

「キャシー」
ピッツバーグで長距離バスに乗り込みながら俺は言った
「今となっちゃ、ミシガンにいた頃が夢のようだな」

サギノーからヒッチハイクで4日もかかった
俺はAMERICAを見つけに来たんだ

バスの中で笑ったり、ゲームをしたりしながら
彼女は「ギャバジンスーツの人はスパイよ」
俺は「気をつけろ!奴の蝶ネクタイはカメラだ」
なんて言ってはしゃいだ

「レインコートにタバコが一本入ってるだろ、放ってくれよ」
「1時間前に、最後の一本吸っちゃったじゃない・・・」

俺は仕方なく窓の景色を眺めた
彼女は彼女で、雑誌を読み出した
広大な原野から月が昇っていた

「キャシー・・・、明日が見えないんだ・・・」
寝息をたてている彼女に、俺は言った
「今、俺はカラッポなんだ、虚しいんだ、どうしてなんだろう?」

ニュージャージー有料道路を走る、車の数をぼんやり数えながら、
「あいつらもAMERICAを探しに来てるんだろ・・・」
「みんなAMERICAを探しに来てるんだろ・・・」

♪  ♫  ♪  ♬  ♪  ♫  ♪  ♬  ♪  ♫  ♪  ♬  ♪  ♫  ♪  ♬  ♪  ♫  ♪  ♬  ♪  ♫  ♪  ♬

【 All Japan Pop 】1971年10月11日付
01.シェリーに口づけ / ミッシェル・ポルナレフ
02.
黒い炎 / チェイス
03アメリカ / サイモンとガーファンクル
04.
恋のかけひき / ハミルトン,ジョー・フランク・アンド・レイノルズ
05.悲しき恋心 / ザ・ショッキング・ブルー
06.涙のハプニング / エジソン・ライトハウス
07.
メロディ・フェア / ザ・ビー・ジーズ
08.故郷へかえりたい / ジョン・デンバー
09.スウィート・ヒッチ・ハイカー / クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル
10.
バタフライ / ダニエル・ジェラール
11.ライアー / スリー・ドッグ・ナイト
12.
嘆きのインディアン / マーク・リンゼイとレイダース
13.
イエス・イッツ・ミー / エルトン・ジョン
14.傷心の日々 / ザ・ビー・ジーズ
15.シカゴ / グラハム・ナッシュ
16.出ておいでよ、お嬢さん / ポール&リンダ・マッカートニー
17.
イッツ・トゥ・レイト / キャロル・キング
18.恋のヘルプ / トニー・ロナルド
19.
青春に乾杯 / ミッシェル・デルペッシュ
20.夢に消えるジュリア / ピンク・フロイド

*プログレッシブ・バンドのYesが、この曲をカバーしています。
これについては、長文になり過ぎるので、分割して明日エントリーします。






2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yoko-2-1)
2024-01-19 08:59:55
おはようございます。

先のわからない恋の焦燥感や不安とと当時のアメリカの未来の見えないアメリカの世相をリンクしている曲のご紹介、楽しく、興味深く拝読いたしました( ^_^)
返信する
Unknown (ikenaijoni)
2024-01-19 20:44:06
@yoko-2-1 さんへ

こんばんは🌇
この時期のアメリカは本当に病んでましたね。
洋楽の世界でもベトナム戦争による闇を直接的、間接的に歌ってる曲が数多く存在しています。
この曲に関しては、(自分の未来が見えない=国の未来が見えない)という心の葛藤を歌っているものだと思ってます。
返信する

コメントを投稿