出だしを書いておこう。
1,曖昧で複雑な農政
「農政はよくわからない」と多くの人が口にする。どうしてわからないのか尋ねると、めざす日本農業の将来像がよくわからないという。
事実、日本の農政ビジョンは曖昧である。近年になって構造改革の必要性を主張してはいるが、改革、改革というわりにはあまり変わり映えしない。政策はいつも同じパターンの繰り返しのようにもみえる。だが一旦中にはいると非常に複雑でわかりにくいものになる。これでは確かによく分からない。
政策決定過程が旧態依然としており、過去の呪縛に原因がありそうだ。
農業界には「保護」か「自立」かという農業感の対立があり、亡霊のように出現してはあらたな争点となっている。
もともと農業には「保護されるべきもの」とする思想がある。我が国では半世紀に及ぶ「保護農政」によって非常に強固なものになった感がある。そこに、「構造改革」を標榜し「産業として育成」するとしても、政策浸透は困難を抱える。継続性や過去の呪縛に縛られ、折衷的にならざるをえず、複雑な政策体系を迫られ、結局改革スピードは遅くなってしまう。玄人受けするかもしれないが、世の人々にはよく分からない。
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