今日の一貫

水産卸売市場のあり方として、流通起点の改革を提言

16日、水産卸のあり方について記者会見。
「消費情報を基にした流通起点の改革」を提言した。
赤坂、三会堂ビル。
この研究会、4月から合計9回開催してきたもの。
全国中央市場水産卸協会(東京・港)の諮問をうけた研究会。委員長高木勇樹、主査大泉一貫。
今後も継続し、卸売市場の第9次の整備計画、基本方針の議論をも見据えながら、来春あたりに報告をまとめる。今回の記者会見は中間報告。


内容は、魚食を拡大するために以下の様な手法で卸機能の充実をはかれというもの。

(問題の所在)
①我が国は水産資源に恵まれた国でありながら、消費量、生産量が減少。
これは世界でもまれ。
②これは水産業界のどこかに欠陥があるためと考えられる
③業界は誰もが満足していない。消費者は商品の画一化、選択幅の狭さや割高感を持っている。他方、業界は価格の低迷で悩んでる。
課題は、魚食を拡大し、皆が満足する状況を作ること。

(解決の基本方向 )
④業界は部分合理で成り立っているがこれを全体合理を持った流通システムに改める必要がある。サプライチェーンの構築が求められる。
⑤卸売市場が核となって、サプライチェーンの構築に邁進する必要がある。
⑥重要なことは、消費者情報を的確に把握してそれに基づく改革を迅速に行うこと。
順番としては、
・卸売市場内部での業務の標準化、IT化等の推進。
・卸と仲卸の対立の解消、同じプラットフォームにたった消費目線の業務改革。
・さらには、消費地卸と産地卸の協同。
・こう考えるとこれは水産卸市場に限らないのがわかるので、野菜、花等、鮮度が重視される卸売の一体化も考えられる。
・なにより、前提となるのは、流通全体の情報流、物流インフラの整備が必要。

(改革に必要なこと)
⑦上記の卸機能の充実を通じた流通起点の改革を阻んでるものを考えると、卸売市場法にたどり着く。
「卸売市場法」の役割はすでに終戦したと考えられるので、大所高所で水産物流通を考える法律を作る。
⑧また、全国の中央卸売市場立地も再構築の必要性があるので、そのためのグランドデザインを構築すべし。
地方自治体の財政難で市場の開設は重荷にもなっている。もし、サプライチェーンが構築できるとすれば、全国を主要市場と衛生市場といったネットワーク体系に組むことも可能。
⑨こうした観点から、卸売り市場法の廃止、新法の制定、全国の卸売市場のネットワーク化、行政予算の組み替え、行政組織の再編をはかること。

卸売市場を強化するため、この提言にもとづいて実施したら、確かに構造改革がおきるだろう。特に仲卸の過剰感は当面の問題として浮上する。

追記
魚食を拡大してウインウインの関係を構築することが課題だが、そのために、現況の卸売市場の業務改革、全国の卸売り市場間のグランドデザインの構築が必要とするものだが、それを担保するには、そのための
①技術条件の整備(情報流、物流の新構築)
②制度条件の整備(卸売市場法に変わる新法の整備と行政改革(予算・組織の再編))
が必要という内容。




(以下日経新聞、10月17日朝刊)
卸売市場法の廃止求める、水産卸の改革検討会議中間案、情報・物流網の構築盛る。
2009/10/17 日本経済新聞 朝刊 27ページ 498文字

 水産会社82社でつくる全国中央市場水産卸協会(東京・港)の諮問機関で、卸売市場の改革方針を検討する「卸売市場のあり方研究会」は16日、中間とりまとめを発表した。卸売市場法の廃止による大幅な規制緩和や生産から消費を結ぶ情報・物流網の構築などを盛り込んだ。

 研究会ではこれまで計9回にわたり、生産者や小売業者も含めた流通の各段階の代表者が集まり議論を重ねた。日本が漁業資源に恵まれながら、生産量、消費量ともに減少を続けている背景を「水産流通が消費者のニーズの変化に対応した改革をしてこなかった」と分析。卸売市場を生産から消費を結ぶ「流通起点」と位置づけ、情報・物流網を官民挙げて構築すべきだと提言した。卸売市場法を廃止し、新たな法制度の制定が必要との考えも示した。

 研究会は近く始まる第9次卸売市場整備基本方針の策定作業を見据え、来春をメドに最終提言をまとめ、政府に訴えていく予定だ。

 座長をつとめるNPO法人日本プロ農業総合支援機構の高木勇樹副理事長は「全く発想を転換した現行の制度・システムの抜本改革が必要」と強調。全水卸の伊藤裕康会長は「できることから一つ一つ解決していきたい」と話している。
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