今日の一貫

生産調整政策 穏健改革派 対 過激守旧派の戦い

生産調整政策の今日の議論に関しては、そもそも、関係者全てが同意して決めた02年の「米政策改革大綱」というソフトランディング方式を、07年、自民党族議員と農水省官僚が、生産調整強化策を打ち出し反故にし混乱に陥しいれたというのが発端。自民党族議員にとっては、自分たちが決めた政策を自分たちで否定したという構図だけに、政策決定プロセスの外にあったものから見れば、自民党と農水省は何をやってるのかといった感じ。

「米政策改革大綱」のソフトランディング方式は、経済原理が見えないため、フェザータッチランディングでどこへ落ちるかわからない、と、私は批評していた。しかも、02年から5年間の猶予期間を経て07年に実施するなどという、微温的なものだった。

そうした生ぬるい、いや、、穏健な改革を、族議員の一部が参議院選敗北を目の前にし、「やはりバラマキ」とばかりに過激守旧派に転じ、ことごとくひっくり返してしまったのは承知のこと。
自分たちも参加して決めたものを、過激にひっくり返すのは、民主主義社会にあってはいかがかと思うが、まーそうした力業の好きな人たちがこの勢力には多い。いわゆる横槍派だ。

穏健改革派 対 過激守旧派の戦いが現在の生産調整論議を生んでるが、これがどのように収束するかは過激守旧・横槍派が、どこで納得するかにかかっている。
自民党のマニフェストにのせられるかどうかも、唯一その一点にかかっている。

条件は次の二つとみている。

①、ひとつは、衆院選挙前の麻生「支持率」の状況だろう。
3月以前は、麻生政権では選挙に勝てない、との観測があった、今年初め頃、生産調整堅持を唱える族議員は、石破農水相を何度も招いて論戦を挑み、改革撤回をせまっていた。
しかし、3月末以降、つまり小沢問題で、民主党支持率低下、麻生政権支持上昇に転ずると、こうした動きは沙汰やみになってきて、大臣の改革方向への発言も目立つようになってきた。
族議員のお一人、加藤紘一先生は、「米価は市場原理で決まるのが良い」などと発言するようになった。
しかしこうした発言や状況の変化も、衆議院選挙の見込み次第、つまり麻生政権の支持率次第という、ポピュリズムに依存する状況。所詮族議員はポピュリストなのだ。

②二つ目は「金」。生産調整を強化せよと、拳を振り上げてみたものの、過激守旧派の目的はバラマキ。生産調整政策と直接支払いのパッケージによってどの程度の金が農家に行くのか、、これが民主党より多くなるとわかれば、過激守旧派は「黙んまり」を決め込むのだろう。
今後制度設計が明らかになるだろうが、特に直接支払いの対象と、金額、それに転作奨励金の対象と金額如何だろう。

一に票と金にかかっているというのも、日本型二大政党制の中ではしょうがないのだろう。何せ、民主党は、個別所得保障を農村型定額給付金と自らいってるのだから。政権を取るためには、議論の好きな民主党若手も黙んまりを決め込むより他なさそうだ。
政策より政局、なのだろう。

そんな中で、過激守旧派が残した唯一良い点は、品目横断の対象に見直しをかけたこと。つまり硬直的な面積規模ではなく、特認がたくさん出たように境界を柔軟にしたこと。ただ、課題は、新たな基準をどう作るかであろう。
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