今日の一貫

農政改革 第6回 米作りの本来あるべき姿のためには 米麦日報

需給調整をやっているならセーフティネットは不要だと?
大泉
あってもいいし、むしろ必要だ。必要だが、前述したように生産調整が「不利益の配分」作業だとするなら、最初から誰が不利益を負うのか話し合っておくべきだ。不利益を負う人にセーフティネットが働けば意味もあるし有効だ。もちろんバンパン売っていく人にも「売れないかもしれない」というリスクが生じる。不利益の分配の仕方が問題なのだ。
構造改革を達成する前、少なくともその目処が立つ前のセーフティネットは、バラまきになる可能性がある。しかも今の「需給調整継至上主義」下では、セーフティネットが構造改革を阻止する関係になってしまっている。

大泉教授はハードランディング論者だと思っていましたが.
 大泉
それは大変な誤解だ。私は以前から確かに市場原理の導入を進めるべきだとは言っているが、同時にセーフティネットの存在にも言及してきた。その市場原理の導入も非常にモデラートなモノをいっている。自分ではソフトランディング論者だと思っている。

すると米政策改革はソフトランディングではない?
大泉
あれは、市場原理を使わず、行政や農協の人知で構造改革を進めようというもので、いわば「フェザータッチランディング」だ。接地しそうでしない。どうかするとそのまま着地しないのではないか。しなかったら燃料切れで墜落する。その意味ではよほどハードランディングかもしれない。冗談はさておき、このままでは構造改革が進まないことは事実だろう。

もはや結論が出ているような気もしますが、すると米政策改革で2010(平成22)年到達をめざしている「米づくりの本来あるべき姿」に到達するのは・・・?
大泉
JA系統の販売体制と、地域協議会のあり方にかかっていると言える。
ここに「分権的市場主義」を促進すれば何とかなりそうだが、恐らく無理だろう。これで残念ながら構造改革の実現は10年は遅れる。
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