食品リサイクル法は、13年5月施行、19年3月改正法が安倍政権下で閣議決定、166国会に提出。
我が国の1人1日あたり食品廃棄物はおおそ700㌔カロリーにもなる。
自給率を課題とする人々はいるが、摂取カロリーの半分近いカロリーが廃棄されてることを課題とする人は少ない(摂取カロリー1899㌔、供給カロリー2630㌔カロリー)。いわゆる静脈系といわれているだけに、あまり関心がないのだろうが、実は、経済的にも大きな課題。
ところで食品産業が出す食品廃棄物は、年間1100万トン。
内訳は、食品製造業(500万トン)が多いのだが、外食産業(300万トン)、食品小売業(250万トン)なども多い。
これが減っていないのが旧法の問題。
旧法では、20%削減を目標づけていた。
100㌧食品廃棄物を出すとすれば、20㌧減らすということ。
手法はとわない、生産工程での削減でも、乾燥しても堆肥化しても、いい。
削減に参加する企業は増加している。
そこで新法。
①チェーンストアの本部が事業者の対象になった。
これまではチェーンストアの1個店が対象。
だから店長の裁量に属してたことが、本店マターになる。
これは何が重要かというと、意思決定もそうだが、市町村行政をまたげる、ある いは県行政をまたげるということ。
荷下ろし等の業許可が市町村から離れる。
懸念は不法投棄なので、これへの対応が準備されることに。
②再生利用事業計画に係る制度を見直す。
これは、農林水産業との連携が図られる場合には、主務大臣(環境大臣、農林水産大臣等)の認定を受けると、廃棄物処理法の許可を不要となる(計画は、肥飼料等の製造業者、農林漁業者等と共同して作成する)
②また、再生利用率が業種毎数値目標が導入され、企業毎に細かく設定されることになったこと。
食品小売業は、45%に、、。
外食、40%
食品製造業85%に、、。
例えば、食品小売業、、45%が達成されると翌年から5年間は2%づつリサイクル率が向上することになる。
④廃棄量年100トン以上の企業は定期報告の義務が科されることに、、
つまり、量的に処理する際には、農業が重要な対象となり、農業者と一緒に計画を作ると、優遇されるということ。
食品残滓処理の一つとしての飼料や肥料等に再生させる、プランが大きく浮上、農業に大きな影響を与えている。
例えば次の記事。
事業計画の概要は、イオン株式会社が千葉県下で経営するジャスコ(17店舗)及びマックスバリュ(8店舗)の全店舗で発生する食品残さを、有限会社ブライトピック千葉で飼料化し、この飼料を使い、有限会社ブライトピック千葉及び有限会社ブライトピックで肥育した豚の肉の全てを、ジャスコ及びマックスバリュで販売するというもの(エコネット、http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=18609)。
宮城県の地域食品スーパー「ウジエ」の再利用もそれ。
(以下日経新聞)
ウジエスーパー、店舗の生ゴミ肥料に、野菜や米栽培、自社で販売、ブランド化めざす。2008/09/10, 日本経済新聞 地方経済面 (東北B), 24ページ, 有, 868文字
宮城県の地場スーパー、ウジエスーパー(登米市、氏家良典社長)は自社店舗から出た野菜クズなど生ゴミを肥料に再生する事業に乗り出す。二〇〇九年一月をメドに登米市内で処理施設を稼働させ、生産した肥料を使ったコメや野菜などの栽培を農家に委託し自社販売する。食品に対する消費者の安全志向が高まる中、化学肥料を使わない農産物の販売で、他のスーパーとの差異化を目指す。
同社は県内に約三十店舗を展開しており、一日に出る生ゴミはおよそ二トン。専用の機械で発酵させることに成功し、肥料を「無限」と名付けた。この肥料を使ってブロッコリーやコメの栽培も試験的に始めている。いずれも生育状況は良好で、すでに収穫したブロッコリーは味がよいと評価が高いという。
コメは四件の契約農家が計二・五ヘクタールの農地で栽培しており、九月下旬から稲刈りを始め、計十二トンのコメを収穫する予定。プライベートブランド(PB)、「無限のぼり米」として店舗で販売する。さらに、米粉にしてロールケーキなど菓子にするほか、酒造会社と協力して日本酒を製造する計画を進めるなど加工にも力を入れる。
二〇〇九年一月には登米市内の七店舗から生ゴミを収集。農林水産省から認定を受ければ、全店舗から出る生ゴミ全量を肥料にする。発酵機械を二十四時間稼働させ、一日当たり二百キログラムの肥料を生産する。
肥料の本格生産に伴い、「のぼり米」の栽培面積を拡大するとともに、ニラなど葉物を中心に栽培する農産物の種類を増やす。三年後をメドに、農業生産法人を設立して「無限」で栽培した農産物を安定的に供給する体制を整える方針だ。
ウジエスーパーは生鮮食料品が強みで、これまでも農家に減農薬野菜の栽培を委託し、方言でがんこという意味の「かだっぱり」というブランドで販売してきた。化学肥料を使わない「無限」ブランドも加えることで、安全志向を高める消費者のニーズを取り込む。消費低迷で激化するイオンなど大手チェーンとの競争でも優位に立ちたい考えだ。
【図・写真】9月末から「無限のぼり米」の収穫を始める(宮城県登米市)
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