米国産牛肉の輸入再開は24日ごろになりそうだ。クリスマスプレゼントになりそう。プレゼントならもっと気の利いたものがほしい感じもある。
スケジュールによると、政府は、昨日から「米国及びカナダの日本向け輸出食肉処理施設の査察」に出向いている。
併行して明日から、全国9ヶ所で輸入解禁の説明会を開く予定。
今後のポイントは二つ。
一つは、アメリカの言う「20ヶ月齢以下、危険部位除去」をどのように担保するのか。
もう一つは、もし、情報が適格であれば、消費者は、それを前提として、自己責任で、アメリカ産牛肉を買うかどうか?消費がどの程度いくか?である。
情報公開の徹底している日本で、特に食に対するデリケートな感性を養ってきた日本国民が、アメリカの情報開示と、危険度を天秤にかけて、自己決定することになるわけだ。
だが、これまでの我が国の国民性からすれば、すぐに受け入れるのではないかと推測される。
原理主義をとらない、相対主義的な私たちの感性がそうさせるのだろう。
それは、民主主義を標榜してきた、戦後論壇人からすれば、原則のないとんでもない民族と言うことになるかもしれない。
しかし、これまでのぎくしゃくした社会は、「智に働けば角が立」つ世界。日本人のやり方ではない。
「情に棹せば流される」かもしれないが、「按配みながら」やってきたのがこれまでの日本社会。
外交で損もするが、「悪いのは私でございます」と言っていた方が、品格がある。ある程度納得すればそれでいいとするのが日本人。「意地を通せば窮屈だ」と決め込んだ方がいい。
しかし、アメリカは「それをやっちゃーおしまいよ」という日本人の気性も理解しておいた方がいい。与しやすい民族と思っていると、大変なことになることもあることを肝に銘じておくべきだろう。
下品なやり方は、日本人にははあわないから、まーそれでいいでしょう、といっているだけ。
それを後になって、口約束だからダメとか、本来倫理観で処理すべき事を、楯にとって攻めるやり方は卑怯者のすることと日本人は思っている。相手の弱みや譲歩を攻めることを美徳とし、、ロジカルシンキングで、ビジネスの要諦などと考えている国民とは国民性が違うのだ。謙譲の美徳と言っても理解できないかもしれない。
ちなみに、米国及びカナダ産牛肉等の輸入再開までの経緯及び今後の予定は次の通り。
平成15年5月21日・カナダにおいてBSE感染牛確認・カナダ産牛肉等の輸入禁止
平成15年12月24日・米国においてBSE感染牛確認・米国産牛肉等の輸入禁止
平成16年10月23日・日米局長級会合において、国内承認手続を条件として、科学に基づいて、双方向の牛肉貿易を再開するとの認識を共有
平成17年5月13日~20日・米国及びカナダ産牛肉等のリスク管理措置に関する意見交換会開催(全国9ヶ所)
平成17年5月24日・米国及びカナダ産牛肉等のリスク評価について食品安全委員会へ諮問
平成17年12月8日・米国及びカナダ産牛肉等のリスク評価について食品安全委員会から答申
平成17年12月12日・一定の条件で管理された米国及びカナダ牛肉等の輸入再開決定
平成17年12月13日~ 23日・米国及びカナダの日本向け輸出食肉処理施設の査察
平成17年12月15日~ 21日催(全国9ヶ所)・米国及びカナダ産牛肉等への対応についての説明会開