今日の一貫

藤原正彦著「国家の品格」 よくわかる食と農のはなし 生源寺著

今日は、藤原正彦さんの『国家の品格』(新潮新書)と生源寺さんの『よくわかる食と農のはなし』(家の光)を読んでいる。
後者は、先週送っていただいたもの。

前者は昨日買い求めたもの。藤原さんは数学者。お茶大教授。
深夜便で、私とは週違いの『暮らしの言葉』をやられていた方。
一言で、おもしろい。

情緒、形、武士道、大事なことは押しつけよ、西洋的ロジックの希薄さを指摘し続けている。
このごろ健全な発想をするのは、養老さんといい、藤原さんといい、数学者や科学者に多い。
文化系学者はどうも、論理におぼれている間がある。
藤原さん、「一番困るのは、情緒に欠けて、論理的な思考力はばっちり、というタイプの人です」と喝破。
「つける薬がない」という言葉は言い言葉。

自由などそんなものはない。裸の自由や、前提の自由などはないのだ。

私は個の時代のむらと農、で「関係性を持った自由」といってきた、またこれからは感性豊かでなければと行って来た。
なんか我が意を得たりと言った感じ。
ベストセラーになってほしい。

また生源寺さんの本。
これまでの科学者やエコノミストの、自信に満ちた主張が壊滅したのが、BSE問題だった。農業経済学者の中にあって、わかりやすい農政を語ってくれる。
農水省の基本的な政策を作る中心にいただけに、正確に政府の意図を語れる人だ。

農業に接する彼の基本スタンスもかかれている。
農地は、所有優位から利用優位へという、主張は、これからますます大声で主張していかなければならないが、これは生源寺さんの意見か、あるいは農水省の意見か?
コメは農協の成功体験への過剰適用が失敗を招いている。
農政改革は、消費に軸足をおく市場原理の活用と、安全や安心を担保する原理の二条のロジックによって展開するとしている。

等々、彼の主張に共感するものが多い。が、これ旧態依然とした農業経済学会で主流となり得ないのはなぜか?
あるいは主流となっているが、学会を変えるほどには至ってないと言うことか?

私は学者なのですらすら読むが、藤原さんの本と比較すると、少々難しい(比較するな、といわれるかもしれないが)かもしれない。
農業関係者には、このような考えを、もっと易しく書ける人が必要だろう。
生源寺さんもそのようなものに挑戦したに違いない。

そうしたことにチャレンジする人が複数出てくることが、21世紀が、農を触媒とした豊かな社会とする契機になると思う。

献本感謝
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