ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮、同人誌の話他

マンガ好きが蔑まれる理由を作った明治政府とは

2019年12月01日 | 文学・歴史・美術および書評
広告マンガ業者って、一般企業や非オタを相手にやっていかないといけないからか、どっかで
「オタクはダメ」を認めちゃってる業者もいるんです。
どういうわけか、マンガもアニメも好きだからこういうの始めただろうに
「昔は好きでした」
「悪いといいませんが」など
脱オタした風を漂わせてます。
でも上からになるには理由ある、わかる。

とにかく、クールジャパンとか言いつつも、オタクに対する偏見は厳しく
マンガやアニメやゲームは人をダメにするが
美術はいい、みたいな権威主義。
多いんですよ。
でも「なぜ」に明確な解答できますか?

実は表現という点では
美術、アート、アニメ、漫画にヒエラルキーは存在しません。


これらを「区別」するのは
例えば「アート」であれば
セレブが相手というような、ビジネス相手の差でしかありませんが
我々の社会に「上級国民」はいないんです、本当は。

でも上級国民を設定した時代はあった。
それが明治で、華族ってありました。

明治政府は、とにかく天皇を中心とした統一国家を早く作りたかった。
しかし、明治6年の政変で、大久保らに反対した西郷隆盛、板垣退助らは
内乱を起こしたり、民主主義をやるためにジャーナル、ペンを執って政府批判を始めました。

その自由民権運動の時に生まれたのが
「漫画」、時間の流れのあるコマ漫画です。
そして、その漫画の描き方
始祖は
漫画家に学んできたわけじゃないですから。
画家なんですぜ?みんな。


それ以前も戯画はあります。
でも、コマ割と吹き出しをつけたのは
明治の「団団珍聞」以降です。

このパロディ漫画雑誌は、
庶民の目線から漫画で政府を批判しました。
度重なる汚職、腐敗、良くならない世の中
笑いに包んで優れたジャーナルを展開しましたが
政府にとって迷惑です。
だから何度も逮捕し、発禁にした

漫画は政府の敵だと
幾分ナーバスすぎたのですが
「見せしめ」もあると思います。

以後、政府の厳しい弾圧で
日清日露戦争後は、自由民権運動とともに衰退していきます。
漫画は太平洋戦争前は
「戦争する政府を応援」する事で生き残ったのです。

漫画を読むのはダメ、描くのはもっとダメ
そういう明治から続く教育を受けて育ったのが
私らの世代には年配の教師らでした。

ただ自由民権とジャーナルも
輸入品ではあるし、日本人には向いてるのか向かないのか
その辺りの考えも当然あると思いますが。


冬コミ「田原坂46」
新刊では
ズバリこの部分詳細。
明治政府の弾圧に負けなかったあれこれ。
明治の新聞勃興と、明治漫画の表現規制の始まりをやります。

私は漫画をやってる事
好きな事を自由にやるの
読むも描くも
誇らしいと思うの。
堂々オタクでいいよ。


蔑む事に慣れてる人が
何らかを知っているわけではないのです。

詳細気になった方は
新刊「ペンけん」で。
入稿頑張ります。

日曜日西4ホールDー40です。









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