*公式サイトはこちら シアター風姿花伝 7月18日~20日
劇団ロ字ック(1,2,3,4,5)が毎年主催企画を行っている真夏の小劇場フェスティバル「鬼FES.」が5回めを迎えた。フェスティバルには3つの軸があり、まず30分の短編劇の上演を行う①Festival STAGE、つぎの上演までのおよそ15分間、舞台の上手スペースで落語やショートコントなどを行う②Carnival STAGE、そしてこのふたつの隙間を縫うように手相占いや徹子の部屋ならぬ「ボブ美の部屋」などが行われる③Basement STAGEがある。いつもは劇場の1階から階段を上って降りて、劇場入り口につくのだが、今回は1階の外通路(自転車置き場にもなっている)を進んだところで①(②も)が行われており、いつも芝居をみているところが③になっているらしい。14時にスタートして最後のステージが終わるのが19時30分、受付でリストバンドをもらうと、観客は自由にプログラムを組み、劇場内を移動しながらみたいパフォーマンスを楽しめるし、劇場の外へでてひと息入れることもできる。
ロ字ック屋台村やめがね食堂による飲み物や軽食の販売もしており、まさに夏の小劇場界のお祭りである。いやもう大変な熱気。基本的にオールスタンディングを謳っているが、②の時間は床に座ってみることができる。
筆者は中日の19日、①の東京ジャンクZからすべりこみ、日本のラジオ、こゆび侍の短編、あいだあいだにPAPALUWAの落語、小林光のパフォーマンス、こどもはれんちによるショートコントをみて、最後にロ字ックの演劇風ライヴ?で仕上げとした。上演の準備や観客の移動などに時間がかかり、プログラムが押すのではと心配したがすべて杞憂、これだけのイベントをほぼ時間通りにきっちりと進行する手際はすばらしい。こどもはれんちのコントのうち、鶴と助けてくれたおじいさんが不倫関係に陥る話がおもしろかったな。
30分の短編劇について。大がかりな舞台美術やセットの作り込みができないのは参加劇団共通のハードルであるが、発想を変えてSF風の展開や観客参加型など、大胆に遊ぶことができる。観客はスタンディングなので、めりはりのある賑やかで楽しい芝居をどうしても求めてしまうが、そんななかであくまでもマイペースを貫く日本のラジオ『ボクノニンギョウ』が秀逸であった。
主催者であるロ字ックは全日程でトリをつとめる。そのあいだに観客の誘導や会場の整備、飲食物やTシャツの物販、ボブ美の部屋なども行なわれて、文字通り出ずっぱりの活躍である。その一方で、ほかの劇団は1日の1ステージのみの参加であるから、これはこれで大変であったろう。
真夏のお祭りが終わったらひと息入れ、秋にはそれぞれの舞台にじっくりと取り組まれたし。楽しみにしている。
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