比良の山々が白く雪に覆われ(19日、比良山系で今季の初冠雪を観測したと発表され昨年より9日遅く、平年並みという。)いよいよ湖国にも冬が到来?そんな晩秋の一日、11月21日、文学散歩で大津市坂本 西教寺を訪れた。
比叡山の南東山麓に大きな寺域を持ち、全国に450以上の末寺を持つ天台真盛宗の総本山。寺伝では、聖徳太子が創建し、のちに天智天皇から西教寺の勅願を賜わり、平安時代に延暦寺中興の祖良源が、続いて横川の源信が庵を結んで修行道場としたと伝えられいる。
JR山科駅で湖西線に乗り換え『比叡山坂本』駅 下車、江若バス(@230)約7分(西教寺下車)で着いた。
総門。ここから紅葉の世界に入る。なだらかな階段。両側には、宿坊が立ち並んでいる。足元をみると大津絵の電気灯篭が点在している。夜のライトアップ時、大津市ならではの風景で楽しむことが出来そう。
宗祖大師殿、ここの門から琵琶湖を眺める景色は最高!
寺側の説明を聞く間も、静寂な空気が漂う境内には、鉦(かね)の音が低く響き渡り、独特の雰囲気が漂っていた。聞けばこの鉦は、数百年に亘って途切れることなく続いているそうである。「南無阿弥陀仏を10回唱える間隔」だそうで、私も唱えてみた。
こんな可愛い(失礼かもね)お地蔵さんがいらした(^_-)-☆
この庭園は裏山の急傾斜の山畔部を巧みに利用し、丸刈角刈の小刈込を駆使した観賞庭園だとか。中央の池泉は琵琶の姿を取り入れた瓢型で、山畔の下部と池泉との間に小丘坡を築いた二つの石組で構成されている。初夏の新緑、さつきの咲く頃、秋たけなわの紅葉、冬の雪景色等は特に素晴らしい眺めということで今は紅葉の季節でラッキー!。
今回の目的の一つは、この菊御膳をいただくことだった。御膳の上に広がる、目にも美しい菊料理の数々。秋の紅葉シーズンになると坂本菊を使った「菊御膳」がいただける。坂本菊は、大津市坂本の特産として知られる食用菊。平安時代、天台宗の開祖・最澄が唐(中国)から持ち帰ったと伝えられているそうだが、市場には流通しておらず、坂本の限られた畑でしか育たないため食べる機会も限定された貴重な御膳だそうである。の紅葉とともに、菊の天ぷらや菊ずしをゆっくり味わっていただいた。食前酒は、甘く花びらも一緒に飲む。寒い日だったのでこれだけでも暖かくなる感じがした。てんぷらはカラッと揚げられていて美味しかった。デザートも菊の花びらの入ったゼリーで、すべて花びらが入っていた。菊の効用はあるのかと調理場の方に聞いたところないそうだが、いかにも秋の風情を楽しむ料理ということで堪能した。@2700.
明智光秀の菩提寺。戦国時代、織田信長による延暦寺焼き討ちで焼失したとき、明智光秀が総門・庫裏などを寄進したとあった。
紅葉は素晴らしかった。こんなにきれいな紅葉は特別である。この秋いろいろなところで紅葉を楽しんでいるがこの色はなかなかない。ここから山の辺の道を歩いて日吉大社に向かった。