スピルバーグという名前の馬がいる。父はあのディープインパクト。
中央競馬で昨年デビューし、4戦1勝の成績だが、2月の重賞レースで3着に入るなど、将来有望だ。
折りしも、スピルバーグ監督の映画「戦火の馬」が、上映中だが、この馬とは関係ない。
但し今回はスピルバーグとは、まったく関係ない話で展開することを、了解願う。
このような、洒落た名前を付ける名物馬主が、山本英俊氏だ。
さかのぼること5年前、山本氏の馬「タイガーマスク」が中央競馬にデビューした。
山本氏がこの馬にこのような名前を付けたのには、理由があり、ある企画の一環であった。
その企画とは、この馬の賞金を児童福祉施設に寄付しようというのである。
この馬主の企画に、厩舎や騎手も賛同し、賞金の9割が寄付されるプロジェクトになった。
まさに、プロレス漫画の主人公タイガーマスクが、ファイトマネーを自分が育ててもらった施設に寄付するという美談にあやかった命名であった。
タイガーマスクのデビュー戦は2007年の5月。
鞍上に名騎手、武豊。
話題性もあって期待され、一番人気に推されての出走だった。
初夏の東京競馬場の芝コース1600メートルをスタートした。
しかし、スタートから出遅れた。必死に追い込んだが、無念の9着。
その後、秋までに3戦したが、勝利できなかった。
芝の適性も考え、この年の10月、地方盛岡でダートコースに出走するとやっと勝利した。
その後、地方でもう1勝したあと、中央へもどり再度、武騎手が乗って念願の中央勝利を収めた。
しかし、足を痛めたり、ノドの手術をしたりと、順調に走れないまま、中央でもう1勝した以降は大差負けを繰り返し、2010年12月に引退した。
中山競馬場で、引退式(写真)も行ったが、何億も稼いだ馬でもなかった為か、大きく取り上げられることはなかった。
13戦4勝、勝った際の競馬は常にスタートから飛び出しての逃げ切り勝ちだった。
おとなしい性格だったので、前に他の馬がいないほうが、力を発揮した。
3年半の競走馬生活で2000万円ほどの賞金を稼ぎ、このプロジェクトは終了した。
競走馬タイガーマスク号が引退して間もない12月25日のクリスマス、群馬の児童相談所に伊達直人と名乗る人がランドセルを10個届けた、との報道がされると、日本各地でこのような運動が広がった。
タイガーマスク現象と言われたが、単なる偶然だったのか・・・
引退したタイガーマスクは、おとなしい性格を買われ、中山競馬場で誘導馬として第2の「人生」を送ることになった。
おしまい
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