飼い猫の遠吠え

とにかく気持ちは前向きに寝る間を惜しんでほふく前進・・・

神谷神社 (かんだにじんじゃ) へようこそ (香川県坂出市)

2022-12-04 21:45:16 | 旅行のたしなみ
全国にある神社関連の国宝建造物は、30数社と知られています (神仏混交・分離もありまして、どっちかな?というところが幾つかありますので確定させるのが難しいのです・・・)。結構あるとも思えますが、全国に神社が8万社以上あることを考えると、少ないようにも思えます。理由としては、神道は、清浄を尊ぶこともあり、神様を新しい清浄な環境でお迎えしたいと考えることから、古いものが良いとされてはいないことも影響しているためかと思います。また、分霊の考え方から元の神社を準拠するような形となるため、独特な文化を醸成することが少ないことも理由なのかもしれません。
そのような選ばれた神社とも言える国宝建造物ですが、厳島神社日光東照宮出雲大社のような世界的にも知られる神社から、春日大社、住吉大社、上賀茂・下鴨、日吉大社、宇佐神宮といった歴史を彩るような代表的な神社・・・だけではなく、奇跡的に長い年月の建築様式を今に残す神社も含まれています。
そういった興味深い成り立ちから国宝指定されている神社の一つでもあり、今までなかなか参拝する機会が得られなかったのが、今回の 「神谷神社」 となります。埼玉から四国は遠いものでして、観光をする機会が得られなかった事もありますし、行ける機会が少ないために、他にも行きたい場所が目白押しでもあって、今まで未踏のままとなっておりました。そこで今回は、ここへの訪問を旅行の主目的の一つにして、一日この界隈を散策する計画としたのでした。

行く前に脳筋の如く、Google マップで行程を検索すると、JR 坂出駅からバスが出ていることが確認出来ました。ただ、土日祝日は、一日 3便しかありません。・・・そう、今回も公共交通機関利用の旅行ですので、自分の武器は、バスか歩くか(あればレンタサイクル)しかありません。バス停からの徒歩15分は、全く問題ありませんが、帰りの便が無いというのは、ま、まぁ、なんとかなるでしょう。

※しばらくGoogle マップを使っていて分かりましたが、Google マップでは、無理そうな長時間徒歩は、どうしても他に選択肢がない場合以外は、表示しないスタンスです。今回も最初から鴨川駅からの徒歩を選択していたら、バス時間に左右されずに行動できたことに後で気が付き反省しきり。まぁ、駅から45分徒歩というのもどうかと思いますが (だから、車使えって・・・)。




やって来ましたJR 坂出駅
駅表記を見るだけでも、懐かしい昭和の香りがしてくる不思議
午前中はこれ1本のみという10時40分のバスに乗って目的地に向かいます
この日の乗客は、旅行客っぽい人が自分を含めて3名のみ




16分ほど乗って「高屋南」バス停で下車
どんよりと雨の降りそうな空模様を気にしながら、大通りを神社に向けて歩きます




蛍橋、このあたりはゲンジボタルの自生地だそうです




行程は、大きな道路に沿って歩いて、小道に入りまっすぐですから分かりやすいものでした
一度、曲がるところを間違えて変なところに行ってしまいましたが・・・まぁ、そんなハプニングも楽しいものです
参道が見えてくれば後はそれに沿って歩けば大丈夫




のどかな田舎道を歩いていると、のどかではないものがありました
その名も「残念切りの石」

その昔他国から狼藉物が徒党を組んで当神谷神社の社殿及び境内で狼藉を働かんとして此処まで来た時
無数の熊蜂が群れをなし飛び来り境内に一歩も進む事能わず
残念の余り傍にありし石を刀で以て切りつけ其のうっ憤を晴らして退散したと言い伝えられている


これが、その切った跡ということですか・・・怖っ




そんなこんなで神社に到着
幟がはためいておりますが、祭事でもあるのでしょうか?




こちらは神門、この奥に国宝本殿があります

本殿前では、巫女舞の練習でしょうか。音に合わせて舞を踊る人達がおりました
本殿を見たいのですが、ここで見ているとちょっと怪しい人に思われてしまいそうです




それでは先に、神社奥にある影向石(磐境)にお参りに向かいます
本殿を左手に見ながら・・・ん? ブルーシート??




何故か屋根にはブルーシート、そして周囲には足場が組まれておりました
建て替えかここ最近の豪雨か台風かの災害の影響でしょうか



神社横の社務所伺ったところ、驚きの話を聞くこととなりました。
今から数日前(2022年9月27日午後)に神社に雷が落ちまして、本殿が火災にあったとのことでした。
県内でもあまり知られておらず、まさに知る人ぞ知るという国宝建築物のある神社でしたが、こんなことで全国ニュースになってしまいましてね・・・と社務所でお話頂いた宮司さん。落雷当時の様子の詳細をお伺いすることが出来ました。ただ、全く悪いことだけでもなく、何とか屋根の一部だけの延焼にとどめられたこと、そのため国宝指定はそのまま継続いただけそうなこと、来年元々屋根の葺き替えを予定していたため準備はできていたこと、今まで雷が落ちたことがなく避雷針を付ける予定がなかったが今回のこともあったため付ける計画ができたこと、心配頂いてご支援のお声を頂いていること、など、とても前向きにお話されておりました。
氏子さんからは、竈の神様 [竈三柱神 (かまどみはしらのかみ)] がお祭りされているのですから、竈に火が入ったのだから更にご利益があるのではとのお話も頂いたりとしているとの笑い話もありました。




確かに屋根までの被害で済んでいるように見られました



今回、そんな状況を全く知らずに物見遊山で来ましたが、よもや直前にそのようなことがあったとは知らず、これも何かのご縁なのだろうと、義援金をお渡しして、見ることの出来なかった本殿の写真を購入しました。ここまで歩いてきたことを伝えたところ、車で近くの駅まで送りますと言って下さったりと (歩きも旅の楽しみですからと辞退しましたが)、大変な状況ながら温かい対応を頂きました。有難いことです。




こちらが本殿の写真 (販売品ですので小さめで)



今は、クラウドファンディングでの復旧の支援を募られていますが、自分としても復活した姿を再び見に伺いたいと思っていますので、引き続き、復興に向けて頑張って頂きたいと思っていますし、これをご縁に支援をしていきたいと思っています。検索すると出てくるかと思いますので、気になる方は、ご支援お願いします。

(クラウドファンディングをされたタイミングで書こうと思いつつ、結局遅れに遅れてしまいました。旅行の事前調査の大切さと、いつの日か行こうというのは今のご時世では通用しないと改めて思いました。思い立ったが吉日、大事にしたいです)

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