爽やかにはじまりを飾る。夏の旅
通勤時のJRの駅にて、毎日目に入るこちらの広告。
「紅葉の季節のような喧騒も感じませんので、この爽やかな景色をゆっくり堪能しませんか?」と誘われているような気分にさせられます。
ということも後押しして、今回は、その広告の一つ「夏の羽黒山」を初夏の三連休の目的地としたのでした。しかも、三連休のお得な切符であるJR東日本「三連休東日本・函館パス」を使わず、久しぶりの車移動。公共交通機関の時間を考えて行動しなくてよい利便性はありますが、行き帰りの移動時間を考慮しなければなりません。そのため、羽黒山へは、五重塔を見ることをメインで考え、恒例となった夜間ライトアップを夕方から楽しむことを予定していました・・・が、現地に行ってびっくり。なんと、五重塔の特別拝観を行っているではありませんか。当然、特別拝観は、日中開催のため、夜間では見ることは叶わず、旅の事前予習は大事だと改めて認識したのでした。そういえば、JRの広告で見たのにJRも使わず、緑鮮やかなポスターに惹かれたのに夜間拝観とは、今更ながら、あれ?といった感じです。
当然、こんな貴重な機会を見逃すことなど考えられず、翌日予定のスケジュールを全てキャンセルして、明日再び来ることを即決したのでした。
鶴岡の某地酒バーにて鋭気を養い、翌日、再び羽黒山神社の随神門にやって来ました
特別拝観のお知らせも出ていますが、ここで知った方も多い様子
前は無かったと思いますが、御朱印ブームのおかげか、授与所が出来ておりました
御朱印をお願いして、山頂の出羽三山神社まで行って、帰ってきたところで返却ということもできるようです
世間は、雨予報でしたが、三連休好天に恵まれた秋田・山形
有り難いことです
明治以降初めてという約150年ぶりの一般公開ということで、どの程度の混雑となるか心配ではありましたが、開催期間も長く、交通も限られた山の中ですから、人手としては、普通の連休といった感じです。見る限りでは、普通に羽黒山山頂を目指していらした方がほとんどで、たまたまこのような催しをやっているのを看板で知ったというように見られます。まぁ、自分もこちらに来て初めて知ったことですから、アピールする機会や場所が少ないのかな?と思えてしまいます。
お気に入りの場所のため、こちらに来るのは、6回目になったでしょうか
いつの季節に来ても気持ちのよい景色に癒されます
運動不足でも問題なし、下り階段を歩いて爺杉を過ぎた先に
一際大きな五重塔がそびえます
いつ見ても圧倒されます
ただ、いつもと異なり、五重塔の左右には、小屋が出来ておりまして
特別拝観の受付所と授与所の小屋が建っていました
自分の好きな横からの眺めは
拝観者のための日よけが設置され、いつもと違った景色となっていました
拝観料を支払うと、「国宝羽黒山五重塔護符」と書かれたお守りを頂き、人数が集まったところで内部拝観のためのお祓いを受けます。
そして、ついに五重塔の中に入ることになりました。当然、撮影禁止ですので、心の目に焼き付けるようにスタンバイ。一階(一重)と二階(二重)を見ることが出来まして、まずは一重からとなります。約150年以上一般公開をされなかった五重塔の中に入ることが出来る、果たしてどのようなものなのかワクワクが止まりません。一重は、神仏分離後、大国主命が真ん中に奉られており、その周囲をぐるりと歩いて見る流れとなっていました。五重塔の大きさから考えると、思ったより狭いかなと感じます。四方の上部には、小野道風の額が飾られています。以前は、外に掛けられていたそうですが、千年も筆跡も見える形で残っていることに驚きです。途中に五重塔の紹介ビデオが流れるコーナーもありまして、そこだけ近代的でちょっと違和感(まぁ、スピーカーも吊るされていましたので)。途中に上を見られるように天井が空けられいましたが、そこから覗いてみるとはるか上まで木組みが続いており、いやはや圧巻です。
お祓いを受けた後、こちらから入ります
一度外に出まして、工事現場のような階段を昇ると
二重から心柱を見ることができるようになっていました
これだけ近くから五重塔を見られる機会も無いため、この階段からの眺めもおススメです
五重塔とはいっても、五階建てではなく、各階に歩けるようなスペースはありません。そのため、二重から中を覗き込むような形で見学することとなっていました。中は、木組みと藤の蔦で構成されており、配色されず自然のままに組まれた木組みはシンプルで、藤の蔦は、ただ大雑把に巻き付けてあるだけのように見えましたが、その前のビデオ説明で乾けば乾くほどしっかりと締まると見ていたので感心しきり。これで1000年以上厳しい山中で耐え抜いているのですから、あらためて畏敬の念を抱くこととなりました。一しきり眺めて、ほえーという気持ちとなっていたため、戻るときに頭をぶつけてしまったのも致し方なしです。
そして、出口側には、グッズコーナーもとい授与所と何故かVRコーナーがありまして、ヘッドマウントディスプレイで内部をぐるっと見る体験も出来ました。
今後、見る機会が無いかもしれませんので、あの立ち姿に惚れた方は、計画してみては如何でしょうか?
夜間は、羽黒山五重塔ライトアップも行っています。
令和元年は、7月13日~10月27日の土日祝日に実施しています。
協力金は、500円となりましたが、今回は、記念品に手ぬぐいが付いてくるのが嬉しいです。
行きたい、行きたい、行きたい
って、こっそり読んでないで仕事しろって?