学生軟式野球全力応援! のブログ

学生軟式(高校、大学)を中心としたブログ。主に記録等を載せていきたいと思います。不定期更新です。

ある高校球児の秋から夏までの1年弱-4

2014-12-07 00:00:00 | 高校硬式野球
○思いよ、届け!



春の県大会のベンチ入りメンバーを、再度確認してみた。

彼の名前は載っていたが、二桁背番号、外野手であった。

何があったのかは、今でもわからない。

それを聞くのも悪い気がして、今でも心の底で眠っている。




やがて、夏の大会になる。

春の県大会では温存していた田嶋くん。

甲子園でベスト4という成績をおさめ、

関東大会推薦が決まっていたためか、

彼を休ませていたが、夏の大会、いよいよ登場してきた。




そんな中、彼はベンチ入りメンバーには入っていたが、

2桁の番号であった。

最近ではスターティングメンバーの中には、

フツーに2桁の背番号をしている選手がいるが、

彼は違っていた。



ヒットを打った選手のフットガードを取りに行ったり、

打った選手のバットを取りに行ったりしていた。

ただ、見ていて思ったのが、手際がよかった。

場の空気、周りの空気を読めているのか、

舞台裏の仕事をきっちりこなしているようにも見えた。

そんな彼がレギュラーじゃないのはもったいない。

つくづく思っていた。




これじゃ、願いはかなわないかもだ。




ボーイズバッテリー対決。

今年、一番見たかった場面である。

決勝戦、甲子園なんかは2の次。

一番観たいのは、その場面。

ある意味、親心みたいなものが出てしまい、

なんとしても、彼をグラウンドに引きずり出したかった。





ただし、夏の大会にはチャンスがあった。

佐野日大と彼の高校のトーナメント表の山が近くであった。

うまくいけば3回戦で当たる。

そして、その試合の予定は休みと重なる。

1年間追い続けた甲斐がある。




そして、その舞台が整ったのである。

3回戦、いよいよプレイボールである。


(つづく)

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ある高校球児の秋から夏までの1年弱-3

2014-12-05 00:00:00 | 高校硬式野球
○彼の実力



話を秋の県大会2回戦当時に戻します。



ちょうど休みの機会と重なったので、

彼の試合を観に球場に出向いた。

守備練習から、一番声が出ていたのが彼であった。

気合も充分である。




スターティングメンバーが発表された。

最初3番といっていた彼だったが、

この試合の時は4番に座った。

4番、ファーストである。




ボーイズリーグの時はキャッチャーを務めていた彼だが、

エースとキャッチャーが同じ中学校だったこともあったのか、

彼は野手を選択したみたいだった。



のらりくらりとした相手ピッチャー。

1つのプレイごとに守備をがらりと変えてくる。

正直、引き締まったプレイに水を差すような相手ではあった。

味方チームの度重なるエラーで、監督のゲキがスタンドまで届いた。

しゅんとなるチーム一同。



ただ、彼だけは違っていた。

打席に入る前の素振り、屈伸運動。

それ自体で、野球の経験を積んでいるなと分かるオーラが漂っていた。



大切なことは、どんな状況下であってもブレないこと。



僕自身、その言葉をこの試合で学んだ気がする。

結果、4打数3安打。2塁打1本。

後半の1打席では、ヒットで塁に出た後、たった2球で2盗、3盗を決めてしまう。




彼のプレイに目を見張るものがあった。

この試合のベストプレイヤーは彼だった。




秋の県大会は残念ながら、次の試合で敗戦することになる。

ただ、この時点では彼の来季のプレイが非常に期待出来るものであった。




しかし、春の県大会。

スコアボードに彼の名前が刻まれることは無かった。


(つづく)
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ある高校球児の秋から夏までの1年弱-2

2014-12-03 00:00:00 | 高校硬式野球
○田嶋大樹くん




田嶋くんが2年生の時の夏。

準決勝で作新学院と当たる。

その試合を球場で観ることとなった。



作新が決勝に進むのであろうこの試合。

簡単に試合をさせなかったのが、田嶋くんである。



140km台のストレート、キレのあるスライダーを決め、

点数も序盤の1点のみに抑える。

作新も相当苦戦していたが、

田嶋くんの特徴でもある振りかぶりが大きい為か、

ダブルスチールを2回ほど決められてしまう。

それでも、しのぎを削り、追加点を許すことはなかった。



結果として、作新学院が勝利を収めたが、

頭に残ったのは田嶋くんだった。



よくよく調べてみると、

U-15代表で世界選手権に出場。

ボーイズ時代に世界大会の代表に選ばれている。

彼は大きくなるよなと、思った一日であった。




その年の秋の県大会。観る機会が訪れた。

相手は宇都宮南。



田嶋くんの投球を5回まで観させてもらったが、

落ち着いて投げているという印象だった。

間違いなくその当時の県No.1の投手である。




そんな田嶋くんの女房役であった彼。

どんなプレイをするのか。

出来れば、田嶋くんと彼との対決が見たい。

ただし、約60校あるうちの対戦する確率は、

優勝候補筆頭で無い限り厳しい。

実際、その年の秋に対戦が無かった。



でも、そんな日が来ると信じて、彼を約1年間追ってみた。



(つづく)
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ある高校球児の秋から夏までの1年弱-1

2014-12-01 00:00:00 | 高校硬式野球
○きっかけ



うちの職場にインターンシップで研修に来ていた高校生の一人に

野球部在籍の子がいた。

実に真面目な性格で、与えられた作業をコツコツとこなしてくれた。

坊主頭から、すぐ野球部と分かる顔で、

仕事や作業の合間に野球の話題になった。



色んな話をしているうちに、

以下のことが分かってきた。

3番打者。レギュラー。ファースト。

ボーイズリーグ出身。

ボーイズの時はキャッチャーを務めていた。



そして、その同じボーイズリーグのチームには、

佐野日大からJR東日本に進路を決めた

田嶋大樹くんがいた。



つまり、田嶋くんのキャッチャーを務めていたことになる。



ボーイズ出身の彼。

一度彼の試合を観に行こう。

そう誓った秋の県大会前の出来事である。




(つづく)
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