もはや修理の定番?と言っても過言ではない、ダンヒルのベルト修理です。
多いということはそれだけ選ばれているのだと思います。
若いころは、ダンヒルって、おじさんのイメージがあったのですが、今もちょっとありますが、私ももう十分おじさんです。
でもこれだけ修理が来るってことは、人気あるんですね。
ビジネスマンの定番なのでしょうか。
やはり黒ベルトがほとんどです。
手にする数も多いので、今はそんなに悪い印象はないですよ。
革とか良いの使ってますしね。
これでバックル壊れなきゃいいんですけどね。
今回の修理は神奈川県のお客様から、何かの拍子にバックルがはずれたようで、その際にバネがどっかに飛んでいったのだと思います。
バネさえあれば簡単にパチっとなるのですが、そう簡単にも行きません。
そのバネを一点もので作らなきゃなりませんから。
まずは穴の内径を測ります。
3.1ミリですね。
バネを作る際に巻きつける軸の選定です。
バネのあがり寸法は外径3mmが目標ですから、バネを作る線材の線径0.5mm×2を引いて、2mm程度のバネ内径で作らなければなりません。
が、きっちり巻いても所詮は手作りなので、仕上がりが若干膨らみます。
なので2mm以下の軸になりますね。
用意したのは1.6mmの軸です。
手巻きでバネを作りました。
0.1mm膨らんで、約2.7mmでできました。
3.1mmの穴ですから、これなら0.2mmずつのクリアランスで十分スムースに可動しそうです。
ちなみにこの線材は鉄ではありません。
一般的にバネはバネ鋼というバネ用の鉄で作りますが、バックルに鉄を使うのは、汗で錆びるので好きじゃありません。
なのでわざわざこの内緒の線材使ってるんですね。
あとバネ用ステンレス鋼というのあるのですが、手で曲げるにはこちらの方が作りやすいので、この銅の合金を使ってます。
電気通すような銅線とは違います。
鉄のバネ用線材と比べたら、キロ単価どのくらい違いますかね?
10倍?100倍?
かなり高価な材料なんです。
長めに作って、組みたてながら長さを詰めて調整して行きます。
バネさえできれば、組み立てるだけ。
修理完了です。
修理受付は、メールかLINEで、画像送付の上、お申込みいただくようお願いしています。
修理依頼のお電話での問い合わせは、状態が確認できないので見積もり出来ません。
画像送付の無いまま実物を送って来られたもので修理できないものは、そのまま着払いで返品となります。
また、突然、持込でいらっしゃっられても、直せない、作れないものもありますので、必ず事前に画像を送ってからいらしてください。
おかげ様で毎月かなりの数の修理依頼をいただいております。
連日多忙のため、持込の場合は完全予約制とさせていただいております。
他のお客様の修理を途中で中断したくないのです。
ご理解、ご協力よろしくお願いします。
ちなみに週末はPCメールみませんが、LINEだと見るので、手空きの時は返信してます。
伊東金属製作所
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