大切そうなダンヒルのベルトが届きました。
数年前にアメリカ旅行へ奥様が出かけた際に購入してくれたものだそうです。
購入して半年くらいからネジがはずれるようになり、苦労しながらもネジを入れてだましだまし使っていたそうです。
が、とうとうネジが入らなくなったということでご依頼が来ました。
ネジの頭はピンの後ろにあるので、バックルを分解しないとネジを締めることができない仕組みなのです。
が、分解が難しいのです。
先日も同じバックルで分解しようとしてバックルが曲がってしまったお客様からご相談もありました。
が、曲がったものは直せません。
弊社では専用工具を作成して慎重に作業していますが、それでも時間がかかります。
力任せに作業してしまうとバックル破損につながりますのでご注意ください。
秘密の工具たちをちょっとだけ公開です。
これは一部ですけどね。
上手にできました。
このネジですね。
通常はここまで作業したら、あとは二度と緩まないように細工して締め直せば終了なのですが、今回は無理に何度か締めていますので、ネジ山が潰れてしまってます。
それがネジが締められなくなった原因です。
分解せずに無理に回転させていたので、曲がって入って、ネジ山が潰れたと思います。
いまのネジ山が使えないので、サイズアップして切り直すしかありません。
ネジもサイズアップでご用意です。
組み立てて修理完了です。
今回のような状態のダンヒルのバックルは初めてでした。
もともとこのバックルは組み方が悪くてネジがはずれるので、はずれてしまったらご無理せずお早めにご相談ください。
でないと、状態がどんどん悪くなります。
部品の組み方と言うのは、簡単そうで奥が深いのです。
車のエンジンほどになると、組む人で最高出力も変わってくるほど、だれが組んでも同じにはなるものではありません。
いくら精密に加工された部品でも、組み方が悪いと性能が発揮できないもなのです。
修理受付は、メールかLINEで、画像送付の上、お申込みいただくようお願いしています。
修理依頼のお電話での問い合わせは、状態が確認できないので見積もり出来ません。
革の状態や色、金具の状態、形状など、いろいろ見たいものがあります。
金具が折れている場合でも、修理できることがありますのでご相談ください。
画像送付の無いまま実物を送って来られたもので修理できないものは、そのまま着払いで返品となります。
また、突然、持込でいらっしゃっられても、直せない、作れないものもありますので、必ず事前に画像を送ってからいらしてください。
おかげ様で毎月かなりの数の修理依頼をいただいております。
連日多忙のため、持込の場合は完全予約制とさせていただいております。
他のお客様の修理を途中で中断したくないのです。
ご理解、ご協力よろしくお願いします。
伊東金属製作所
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東京都足立区足立2-34-2
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